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そう告げられたメッセージに
慌てないよう深呼吸をする、勿論バレないように。
私はいかにも「動揺してますよ」と言いたげに声を出した。
『彼氏さんですか…？迷惑、でしたよね。ごめんなさい』
「……俺は彼氏でも何でもねえ」
「いいじゃないですか！カァイイお土産買ってきますから」
トガがそういうと、茶毘は苛立ったようにこらがっていた小さな石を蹴る。
その意志は運悪く歩いていた子供に当たってしまい、
その子の母親は子をなだめながら彼を睨みつけていた。
やはり、彼は……彼らはヴィランに見えるのだろう。
見た目で判断しては行けないと習っているが、まとう雰囲気は常人のそれではない。
言い返せない悔しさを噛み締めながら、私は話を進めた。
『急に来てごめんなさい。べ、別の人に頼ることにしますので、』
「チョットだけですよ。ほら、この子も困っているようですし！」
「馬鹿野郎……おいそこの餓鬼。俺もついて行くからな」
やはり怪しまれているのだろうが、私の外見は幼い少女なので警戒は少し緩んでいるらしい。
いや、そんなことはない。
私が潜入しに来たと確信した上で、“こちらからも情報を抜き出そうとしている”のだ。
やはりこんな安っぽい演技と台本では疑われるにきまっているんだよなあと思いながら、
私は彼らにお礼を言った。
……後で聞いたところ、プロヒーローたちはこれを狙っていたという。
＊＊＊
行くまでの道は気まずいしか言いようがなかった。
トガは私によく話しかけてくれたが、
茶毘が監視するように私の横に立っていたためトガも当たり前の質問しかできていない。
彼らは人目につかない道ばかりを選択するので、いつもよりも30分ほど遅くかかってしまった。
有益な情報はトガの「……血欲しいナァ」という呟き。
その瞬間、茶毘の舌打ちがなる。彼の変化から、彼女の個性は血を使ったもので間違いないだろう。
「おい、着いたぞ」
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作者名：花氷 ベタ | 作成日時：2022年10月1日 18時
