Just do it！【ヒロアカ】 (ページ5)

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何やら廊下が騒がしい。

環くんはもう限界のようだ。
流石に可哀想になってきたので、少し遠くで待ってもらうことにした。

喧嘩だろうか？まだ手は出ていないからよかったものの…
私は近くにいた拳藤ちゃんに声をかけた。

『拳藤ちゃんだよね。プリント渡しに来たよ』

「ありがとうございます！」

『えっと、あっちは何があったかわかる？』

私がそう聞くと、彼女はため息をついて、
“物間って言うクラスメイトがA組を煽ってて、喧嘩してるんです”と答えた。

彼女は何度も力づくで止めたそうだが、聞く耳を持ってくれなかったらしい。

遠くに見えるのは金髪vs金髪。片方は確か、爆豪くんだ。

爆豪くんはそろそろ個性を出しそう。
一触即発の現場を周りは興奮と心配で満ちた瞳で見つめている。

正直今すぐにでも、いつものクラスに戻るか先生に頼りたいが…
先輩。そしてヒーローの卵だから頑張るしかない。

私は小さく深呼吸をして、2人の掴み合っている腕を引っ剥がした。

『2人とも喧嘩しないで、離れてねー』

「あ”？誰だお前？」

「ハッ馬鹿だね、三年のAさんだよ！！これだから低脳の＿＿」

名前を覚えていてくれているのは嬉しいんだけど……物間くんも煽らないでほしい。
私が2人の言い分を聞いている時、足音とともに低い声が聞こえた。

「おい、何してるんだ」

相澤先生の登場に、廊下の生徒全員凍りつく。
隠れていそいそと帰る者も出てきた。

物間くんも爆豪くんもお互いをひと睨みした後、クラスに戻っていく。うーん最強。

A組の子にプリント渡してないなと思いながら、手に視線を向けると、相澤先生は私にこう言った。

「……それA組のだろ。渡しといてやるよ」

『ありがとうございます！』

「あと、喧嘩止めてくれてありがとな。助かった」

滅多に褒めてくれない先生の褒め言葉に、思わず目を見開く。
驚きと困惑の中突っ立っていると、環くんが焦ったように此方に向かってきた。

「大丈夫！？喧嘩止めに言ってたけど…怪我は？」

『してないよ。待っててくれてありがとね』

「……俺も3年だし、喧嘩ぐらいは止められ……るかもしれないから、」

頼ってほしい。

長すぎる空白と、心配してくれたことが嬉しくて思わず笑ってしまう。

いつも頼ってるんだけどな。と思いながら、私たちはいつもの教室に足を進めた。