Just do it！【ヒロアカ】 (ページ1)

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プロローグページ1

彼女と初めて出会ったのは、中学2年生の頃。

学校の帰り道、ガラの悪そうな人に絡まれている時だった。

「おい、早く金出せって言ってんだろ！」

ヒーローになる為、こんなところで負けられないと思っているのに、
浴びせられる怒号と恐怖で体は動かなかったんや。

街ゆく人も、全員目を逸らして素通りして行って。
……腕を押さえつけられていたから、個性も使えへんかったの。

そんな時、私を助けてくれたのがAさんだった。

『その女の子から、手を離してください』ってね。

よく覚えとる。足震えとったし、声に至ってはもうほとんど出ていなかった。
でも、その姿が＜最高にかっこいい＞って思ったんだ。

体格差も関係なしにね、拳ひとつで助けに来てくれて。

結局Aさん、私よりもぼろぼろになっちゃって。

でもそんなんになってまで助けてくれたのが嬉しかった。

これがね、私がヒーローを目指したもう一つの理由。

「Aさんって、三年生の？」

「そう！私のね、憧れの人なんだ。」

嬉しそうに笑う彼女の髪の毛が、風で揺れる。
眩しい、新入生の後ろ姿。

そんな“麗日ちゃん”と、緑谷くんの会話を聞いて、少し報われたような感じがする。

そうか、私はあの子にとって「ヒーロー」であれたんだ。

「Aちゃん、何でニコニコしてるの？何かいいことあったの？不思議！」

『あ、ねじれちゃん。ついさっき、嬉しいことがあってね、』

これは貴方だけのヒーローアカデミア。

その日常を、覗いてみませんか？