検索窓
今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:1,207 hit

新2章ー復讐大会、始動ーシフウside ページ45

ク「ん、ふ」
かちゃーん、とフォークの落ちる音がした。
別段おかしな事でもない。それは俺の手から落ちたからだ。
__指一本、動かせやしない。
まるで、手の筋肉の全てが、細かい玉の粒に変わったみたいに。まるで、身体が麻の枕になったみたいに。
ク「ねぇ、シフウさま。ほら、遊びましょ? __そうだ、傷抉りごっこなんてどうかしら?」
一抹の期待を乗せてラファエルの方を見るが、関係のない事だと主張するようにサラダを口に運んでいる。
クララミーラは、動けない俺の椅子を後ろに引く。
そして正面に立つと、心底うれしそうに言った。
ク「わたくし、貴方の事大好きで大嫌いでした。一度でいいからその生意気な顔を絶望と苦痛に歪めてやりたい。身体も心も、恐怖以外何も考えられないようにしてやりたい。でも、殺しちゃいけない」
渾身の力でクララミーラを睨む。__もし、視線で人を殺せるとしたら、もうクララミーラが死んでるだろう、いや元々死んでたか。
ク「貴方が赤で私が白だとしたら、貴方の赤が触れた先から白で塗り潰す」
肩をぐわしと捕まれた。
ク「わたくしは、貴方の事全て知っている。貴方のどこを抉れば痛みが走るのかも」
クララミーラは俺の下腹部を抑えた。
焼け付くような痛みが走った。
じわりと血が滲む。
ク「貴方の急所がどこなのかも」
ぎゅ、と鳩尾あたりを握られる。
かは、と血の塊が飛び出した。
最後の望みでラファエルを見やると、いつの間にかいなくなってた。
ク「貴方が何されると嫌なのかも」
口の中に問答無用でサラダを突っ込まれた。
吐き気がこみ上げる。
そして、いきなりクララは俺の服をひん剥き始めるんだから、悲鳴とともにサラダが飛び出そうになった。
そして、ニヤリと笑った。
ク「貴 方 の 最 後 の 頼 み の 綱 も」
光の魔法のかかったソードブレイカーが、脆くも儚く崩れてく音がした。









じゅわり、と音がした。

何て事はない。力が封じられたワケではないからだ。

痺れ薬程度で、俺の力が封じられると思ったクララが間違いだったのだ。

クララは驚いて自らの手を見つめた。

クララは、【幻想】だから。【闇】の塊だから。

光に、勝るワケないのだ。

シ「クララ」

何も答えなかった。

シ「さっきお前は俺の事を赤だと例えた」

睨まれた。続ける。

シ「でも、それは違う」

俺は

シ「無色だ」

新2章ー復讐大会、始動ー璢弧side→←新2章・陰ー少女の影の裏世界ーユイside



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 0.0/10 (0 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:ホラー的な何か , クトゥルフ風 , 中二病 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:早苗 | 作成日時:2016年10月22日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。