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新1章ー絶望的な世界ー蒼羅side ページ5

蒼「ひっ………く、来るな」
そう言っても、目の前の白い怪物は近寄るのをやめない。
もし、ここに梢なんかがいたら庇いきれんが、出かけてる今話は別だ。
白い悪魔は、にこりと笑う。
?「何で逃げるの? ほら、こっちに来て遊ぼうよ」
遊ぶなんて嘘だ。
その手に持ってる鞭。
その手に持ってる蝋燭。
その手に持ってる杖。
それは全て、人の命を奪うための道具。
苦しみに悶えさせて殺させるための道具。
蒼「くっ!」
白い悪魔の顎を蹴り上げて、そのままきびすを返し走り出す。
向かうは勝手場。私の持ち場。
がちゃがちゃと包丁入れを漁って、取り出したのは白い出刃包丁だ。
しゃきーん、と金属が擦れ合う音が響く。
?「僕に光物向けるとはいい度胸だね。殺し合いなら受けて立つよ?」
悪魔は笑う。
そうして、包丁と同じ色をしたレイピアを取り出す。
嘘だろ? 手品か何かなのか? それとも………魔法?
?「何やってんの? そっちからこいよ!」
お言葉に甘えずに、様子を伺いつつも警戒は解かない。
すると、突拍子も無く切り込んできた。
避けるのは無理だと踏んで、包丁で捌く。
まさか、こんなところで今まで培ってきた包丁捌きがいかされるとは。世の中分からない事だらけだ。
?「僕の攻撃に耐えるなんて! 君も中々やるね!」
蒼「お生憎様だね。それは『包丁』の事だろう? 私はそこそこ包丁は使えるのでね!」
金属音が何度も鳴り響く。
包丁で戦う事になるとは、本当に分からない。
?「ん。でも誰か来たみたいだよ! 置き土産だっ! っと!」
ガッと、丸い球状のそれを投げつけた。
あれは?
地面に触れると爆発して、煙を出して消えた。
まずい。煙幕か?
しかし、少し眠くなって行って、やがて煙は収まった。
でも、何でかな?
眠、気、が…………。









百「あ! 起きた!?」
目の前には百香がいた。
……ん?
体に、違和感がある。
背中に、紙が入っている。
「置き土産☆ちょっとだけ胸の辺りを大人にしてあげたよ☆ byミシェル」
その紙をぐしゃ、と握り締めポイと捨てた。
百「あれ? 私とうとう幻覚が見えるようになったのかしら?」
蒼「ミシェルとやらの『置き土産』だ。詳しく知りたきゃあの紙見ろ」
百香は素直に紙を見た。
何の反応も示さず、むしろ納得したようにも見える。
百「なるほど。納得したわ。ありがとう」
「なんで『大人にした』だけで胸が膨らんだの?」とは聞かないんだな。
百香のバカにつくづく飽きれながら想った。

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作者名:早苗 | 作成日時:2016年10月22日 14時

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