死のゲームとオトモダチ～loopline～【オリジナル】 (ページ23)

今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:1,208 hit

新2章ー復讐大会、始動ー百香side ページ23

………ここは？
私は、ひんやりとした石の床に寝そべっていた
………「ひんやりとした石の床に寝そべっていた」？
百「はぁっ！？」
思わず立ち上がって、まわりの様子を確認しようとした所で、異常に寒い事に気付いた。
百「………………」
嫌な予感がして自分の体に目を落とすと、そこには、いつもは風呂場で見ている、一糸纏わぬ私の裸体が、「ここにいます！」と激しく自己主張していた。
百「……ぎゃあぁぁあぁあぁぁ！？」
一瞬のタイムラグのあと、私の悲鳴とも絶叫ともとれる声が、虚しく無駄にだだっ広い空間にこだました。
少なくとも、私は自分で服を脱いだ覚えはない。
つまり、少なくとも誰かに服を脱がされた、というワケだ。
それが女であろうが男であろうが、他人であろうが知人であろうが、嫌悪感しか湧き上がってこない。もしやった人が判明したら、その人を思いっきり罵った後、殴る蹴るの適度な暴行を加えてから警察に突き出して、できればブタ箱行き、そうで無くても銀の腕輪をプレゼントさせていただかせよう、と心に決めた。
百「あぁあぁぁああぁ…………」
少なくとも、誰かに自分の裸を見られた事実は変わらないのだ。
その時だった。

カツン、コツンと無駄に響きまくって、誰かの来訪を告げる足音が耳に届いたのだ。

そしてその時、始めて始めて自分のいる場所が牢屋だと気付いた。さしずめ地下牢という所だろうか。

そして、さっと後ろに飛び退いて、蝋燭の僅かな明かりで、侵入者の顔をとらえる。

百(……………っ！？)

そこにいたのは、私だった。

いや、正確には「私にとてもよく似た少女」だ。虚ろな目はピンクゴールドだったし、肩より長い程度の髪の毛は茶色だった。でも、その顔は、いつも鏡で見ている顔と同じだった。

その少女は、ゆっくりと私の方を向いた。

何が悲しくて自分にそっくりな少女に自分の裸を見られなければならないのか。その時ばかりは羞恥で死んでしまいそうだった。

私？「……………こい」

その少女は鉄格子の鍵を開けると、強引に引っ張った。

何この馬鹿力。あの華奢な身体のどこにこんな力があるのか。

よく考えれば手錠の類はされて無かったから、彼女にビンタして逃げ出せばよかったのだが、彼女は「逃げたら殺す」的な殺意を向けていたので出来なかった。

もうやだよ、助けてシフウ！

そう心の中で縋りながら、助けにくるはずのない手を待ちわびていた。