死のゲームとオトモダチ～magic～【オリジナル】 (ページ30)

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新1章ー絶望的な世界ーマリアside ページ30

マ「これで、よし、っと………」
私は、縫い上げた服に魔法を込めて、綺麗に折りたたんだ。
青色のメイド服。蒼羅の虚弱体質を克服する魔法を込めた。
蒼羅の女装を見れて、魔具で体質を克服できる………。
我ながら、私ってば天才ね！
一人でドヤァするもの止めて、蒼羅の所に急ぐ。
あら？
包帯を巻いて手当てしておいた足が、ピキピキと音を立てた。
気のせいか。
一応全員分作っておいたメイド服には、それぞれ違う効果がある……へ？何故、全部メイド服なのかって？男は執事仕立ての方がいいんじゃないか？だって？
私の趣味よ。
蒼羅には青色、晴斗には赤色、梢には黒色、百香には桃色、璢弧には紫色、茜には焦げ茶色だ。でも、魔法の効果は大体同じで、私の元着ていた魔装束と同じで、受けるダメージを肩代わりしたり、魔術の効果を高めたりする、ささやかなものだが。
マ「ねぇ、あなたは知っていますか？」
後ろの気配に告げた。
マ「天罰を怖がっていては、魔術なんて使えないのですよ」
後ろを振り向かずに、魔装束に魔法を込める作業を続行する。
？「あら、魔女になる事自体が無差別に落とされる『天罰』じゃないのかしら？」
目を伏せて応えた。
マ「そうですが、昔は忌んでいたこの力、今は仲間のために本気で振るっていますもの」
？「幸せ？そんな底辺以下の毎日で幸せ？こっちに来れば、不幸なんて感じないの」
ため息をついた。
マ「あいにく私はキシリタンなもんで。宗教の勧誘はお断りしてますの」
すると、手のひらに小さな小瓶が出現した。
？「それは革命を起こすための力。望む力が手に入るの。使うかどうかは、貴方次第よ」
マ「貴方のハートにバッチコーンを！」
飴色の瓶を懐にしまうと、後ろに一発銃弾を打ち込むが、そこには誰もいなかった。
やはり、神様は叶えてくれやしないのね。
もう一度ため息をついた。
飴色の瓶のなかには、虹色に輝く液体が入っていた。
光に透かすと、虹色と飴色が混ざって、美しく輝く。
中身の確認を済ませると、メイド服を小さく畳んで、家に向かった。
マ「…………？」
気のせいか、足が痛む。
さすってみても何もない。
包帯も塗れてないし、赤く滲んでもない。
マ「あら？木偶の坊、何でここにいるのかしら？」
喋らない。あの時の人形だ。
マ「とことん行かせたくないようですね、でも」
ごにょごにょ、と呟くと、人形はスッと消えた。
そして、森に入っていくのだ………。

『蒼羅の女装見たくないですか？』