裏6章ー進んでいく時間と虚無の巫女ー??side ページ12
かららん、ころん………。
ここは、どこ?
とても、なつかしいばしょ。
わすれられないばしょ。
かわいたおとがひびいていたのだが、わたしにはきがつかなかった。
とうめいながらすのおり。
まっしろいとりかごのなか。
てのひらには、ちいさながらすのたまがみえた。
それは、ちくちくといたみをともなってわたしのなかにはいっていく。
とっさにほおりなげようとしたが、おそかったことにきづいた。
なにもおもいだせない。
いったい、なにがあったのか。
じぶんのなまえも。
すべてがきょむにかえる。
わたしのなかのすべてが。
とりかごにとらえられているのもわすれて、ぼうぜんとゆびさきをみつめた。
そして、やっとめのまえにおんなのこがたっているのにきづいた。
まっくろなかみに、まっさおなひとみ。
それいがいはにんしきできないように、くらくしずんだかげ。
そのひとみにすいこまれそうになって、おんなのこがなにかいってるのがきづいた。
?「__やあ」
わ「……やあ?」
ゆっくりとみつめる。
みつめかえされたことにきづき、へんとうをまつ。
?「×××のこと、わかるかい?」
みみなりがなった。
わ「だぁ、れ?」
?「君の名前は、ノアだよ。ノア・スター」
わ「のあ、すたー?」
おんなのこのことばをくりかえした。
?「まずは、その鳥籠の整備と………教育かな?」
おんなのこはにがわらいをうかべた。
あれからどれくらい時間が立ったのだろう。
漢字を覚えたり、簡単な言葉を覚えたり、でも、どうしても鳥籠からは出られなかった。
ノアの知識欲は止まる事をしらない。
だから、ノアは外に出てみたい。
あと、ノアは自分で自分の姿を見たことがない。
時々、女の子がノアの髪を二つで上に結ってくれたから、ノアの髪はかなり長くて、真っ白なのが分かる。
あと、女の子は「主さま」と呼ぶように言い聞かされた。
どうしてかは知らない。
ノアは、いろんな事を学んだ。
教育された。
ご飯も普通においしかった。
そんなノアが唯一の楽しみにしていたのは、空想だ。
自分の頭の中にしか存在しない、仮初めの、偽りの世界。
そこには、おとぎ話のみんながたくさんいるんだ。
白雪姫、赤ずきん、アリス、メドゥーサ。
ヘンゼルとグレーテル、ナルキッソス、雪の女王。
いつしか、空想は「得意分野」となった。
ノアの頭の中の世界は、主さまにも共有された。
………ノア、は?
ノアって、だぁれ?
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作者名:早苗 | 作成日時:2016年9月19日 9時