3章ー終わらない「ゲーム」ー梢、瑠弧side ページ48
私はその場にへたり込んだ。
な、なにあれ……。
思考回路が停止するのを感じた。
なんかパーーって光が出てきて、お札みたいなのになって、白い星が偽瑠弧にくっついて陰陽玉的ななにかが飛び出して……。
だめだ、頭の中が整理できない。
でも、一つだけ分かるのは……
「瑠弧も私と同類の可能性がある事」
瑠弧は椅子に腰かけて、
瑠「喉、乾いちゃったよ。この紅茶、飲んでいいよね?」
とカップの淵を少し叩く。
梢「あっ。今入れ直すね」
とティーポットを傾ける。
とぽぽぽぽ、と赤褐色の液体をもう一度注ぐ。
ついでに瑠弧は自分の首を取り外し、偽瑠弧の乗っていた体にくっつけた……!?
いや、どうなってんの!? 取り外し可能なの!? 轆轤首(ろくろくび)なの!?
瑠「じゃ、ちょっと聞いてくれる?」
そういって、気を落ち着かせる様に紅茶を一口飲んで、淡々と語り始めた。
瑠弧side(続き)
あれ、急に眠気が………。
そう思ったのは一瞬だった。
黒髪の少女は目を見開いた。
?「わぁ、すごい『魔法抵抗力』! ねぇねぇ、アナタホントに『人間』!?」
う、グサッとくる……。
でもここで全員ぶっ倒して行けば後々楽なのか?
その考えを見透かす様に、黒髪の少女は言った。
?「私をはっ倒す暇があったら私に命乞いでもしたら? あのコズエ……だっけ? 『失敗作』の餌になっても私は知らないわよ?」
目を見開いた。
おい! どういう事だよ!?
?「だってあの子、すごい魔力もってるんだもん! アナタに言えた事じゃないけど」
はぁ!?
がっと少女の肩を掴もうとして、動けなかった。
少女は、翡翠の玉のついた杖をこちらにむけて、ගඖඏඛඊඡඍとまた意味不明な文字列を描いた。
?「それはコズエが心から助けを求めたときにだけコズエの所にいける魔法。じゃ、あとは好きにしなさい」
俺を囲っていた、まるで鳥籠の様な空気が弾けた。
そして、走り出した。
バリアのようなものが張ってあって中に入れない。
押しても、引いても。
中の様子は見えるのに。
『助けろ!瑠弧ぉ!』
瑠「やっと、呼んでくれた……」
バリアが壊れて、霧が晴れた。
裏3章ー偽瑠弧の御話ー偽瑠弧side→←3章ー終わらない「ゲーム」ー梢side
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作者名:早苗 | 作成日時:2016年3月25日 14時