死のゲームとオトモダチ【オリジナル】 (ページ32)

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2章ーゲームの幕開けーリエルside ページ32

『残り魂 0個ご冥福をお祈り致します』
あぁ。もうダメだ。
きっと皆、殺される。
死にたくない。
悪魔が囁く。
『殺られる前に殺れ』……と。
ああ、自分でも分かるくらい、狂ってきている。
このままじゃ、殺される前にもう、おかしくなってしまうんじゃないかしら。
怖い。死にたくない。
なんで今になって、生存願望が色濃く現れるの？
私は、死にたかったんじゃないの？
偽りの強さなんていらないからって。
私って、なんで今、生きているのかしら。

『許さない』
『なんであんたが幸せになってるの？』
『私を殺したくせに』
『私の事、道具としてしか考えてなかったくせに』
『早く死んで、＿＿＿と私の分を償え』
『なんで、あんた達が私達の代わりの様に生きてるの？』
『あんたなんか、一生あの貧民街にいるべきだったわ』

誰？
さっきから、私に話しかけてくるのは誰？
貧民街って、なに？
私の家は、たしかに少し貧しかったけど、普通の街の、普通のアパートに住んでいた。
殺した？道具？代わり？
＿＿＿「私」って、誰？
魔力の宿った様な声は、まるで祝詞を歌うように呪詛を吐く。
魔力の宿った様な声は、擦り減った精神に容赦なく入り込んで、負の感情を広げる。
その声に惑わされそうな自分がなさけない。
相当、精神的にくる、この「殺戮ゲーム」。
＿＿＿「マリア」とは一体「誰」？
頭が痛い。
どうしてか、汗があふれて止まらない。
寒気がする。

『パンがあるけど、いる？』
誰？
貴方は誰？
『わたk……俺は狂華。＿＿＿＿＿の＿＿隊士だよ。』
頭に靄がかかる。
肩までで切り揃えられたキャラメル色の髪が妙に脳裏に焼き付く。
『きょうかおねえちゃん……よろしくね！』

そこで声が途切れる。
最後に聞こえた声はどう聞いても、
もう、聞き飽きてしまった、
＿＿＿私自身の声だ。

『どうしたんですかー？さっさとしないと電流ながしますよー？』

はっと我に帰る。
いつのまにか、針金は外れている。
ゆっくりと椅子から離れる。
バチバチッと電流が流れる音がする。
……はずなのになにも聞こえない。
耳鳴りがひどいし、目の前が霞む。
エレベーターに乗り込む。
ラミ「う、うぅぅ……」
頭が酷く痛む。
ラミ「ああああああああ」
顔が痒いから、掻きむしる。
汗ばむ顔に髪が張り付く。
急に痛みが収まる。
それもそれで不気味だ。
チーン。
どうやら着いた様だ。
ゆっくりと歩みを進める私を、冷めた瞳で見ていた。