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2章ーゲームの幕開けーラファ、シフウside残り魂 3個 ページ15

奥に目をやると、チョコレートのような闇が広がっている。
マネキンの動体視力ってどれくらいなのかしら。
シフウは少々破壊衝動があり、理性に欠くかわりに跳躍的に身体能力があがる。(シフウが言うにはこれから先ゆっくり身につけていく能力を前借りしているらしい。)
察しのいい人は分かったよね?
そうだよ! 面倒だからシフウの身体能力で駆け抜ければいいじゃん! ←ズル
静かに目を閉じると、私の体の中の「私」が消えていくような気がする。
碧い私の「人格」は体の中に溶けていき、紅いシフウの時間が始まる。
碧い蒼い、想像の私の時間が終わって始まるのは。
楽しい愉しい、破壊のシフウの時間。

シフウside
碧い美しい澄んだ瞳の輝きが失われ、入れ替わりに紅い醜い濁った俺の瞳が前にでる。
正直、入れ替われる時いつも申し訳ないと思う。
何の穢れも知らず、純粋で無垢で、こんな俺にも笑顔を見せてくれる。そんな一寸の汚れもない真っ白な百香、もといラファの体に、血の匂いを知っている様な、穢れていて、濁っていて、笑い方なんて、感情なんて「前世」の頃には忘れたような俺が入るなんて、申し訳ない。と同時にどこか羨ましいような、嫉妬とはちがう感情もあった。
……というか、なんでメインキャラクターなのになんで2章まで目立った出番が無いんだよ!←
…ゴホン。取り乱した。
ようはここから向こうまで駆け抜ければいいのか。
それくらい余裕だな。
でもマネキンに見つかっちゃ駄目なんだっけか。
とりあえず3回分あるから一回目は何も考えずダッシュ、二回目はマネキンに気を付けて、3回目は慎重に、で行くか。
さぁ、いこ(ゲシュッ
シ「……蟻地獄があるのを忘れてた」
  [残りの魂 2個]
さて、少し走ってみるか。
所々に、赤、青、紫、橙、緑、茶のミニドレスを着た、瞳孔のパッと開いた気味の悪いマネキンがある。
道は2本あり、視界にはいらないように2本の道を駆け抜ける。
シ「っっっあったっ!」
カードをもぎとる。
シ「……ん?」
そこに、小さく丸められたメモ書きが2枚あった。
クレヨンで書かれた汚い文字。
‘知ってる?強い思いがあれば、奇跡も魔法も生まれるんだよ。‘
‘油断をしたら、もう帰れない、会えない、見えない、触れない、‘
シ「破れてる……」
また、タチの悪い悪戯するな。あいつは。
俺は、懐かしい字を読んでみる。
そのせいで、俺は最後まで気づけなかった。
自分の身に危険が迫っている事に。

2章ーゲームの幕開けーシフウ、ラファside残り魂 2個→←2章ーゲームの幕開けーラファside


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作者名:早苗 | 作成日時:2016年3月25日 14時

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