彼女は吸血鬼志望らしいので、全力で阻止する。【サーヴァンプ】 (ページ5)

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2話「根性なしな強欲の話」ページ5

顔が熱い。多分、耳まで真っ赤だ。
鼓動もさっきからうるさくてしょうがない。

「はぁ…………」と、口から熱のこもった溜め息をはいた。

　

……とりあえず、落ち着くためにコーヒーを飲む。
「あちっ」

舌を軽く火傷した。

ーーーー

_____オレがAさんを初めて知ったのは、つい最近。

最初、オレとAさんはこの店の客だった。ただ、彼女がオレより長くここを知っていただけっていう、それだけ。

姿を見たことはあるものの、喋ったりはしない。ごく普通の、赤の他人ってやつだった。(まぁ今でもそうなんスけど……)

けど、オレって思ってるより単純だからすぐ…………恋、って奴にまた落ちちゃったんスよね。理由なんて特にないし、きっかけもない。……そう、一目惚れっス。
　

だからあの日、Aさんが飛び降りようとしてたときはめっちゃ焦った。
結構止められて、今こうなってるから良いんスけど…………本当に、死んだらどうしようかと…………

と、まぁこれがオレの吸血鬼人生２回目の恋なんスけど…………
　

そっとAさんの方を見る。
「……」

視線を戻すと、両手で顔を隠した。
「…………むりぃ……」
　

……うん！実際会うと喋れねぇ！！！

この根性なしが！強欲の癖に！！！

　
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