1話「2度目の出会いは行きつけの」 ページ3
あの日から1ヶ月が過ぎた。
だが今でも、彼の言ったあの言葉は脳裏にこびりついている________。
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Aが居るのはとあるコーヒー店。薄暗い路地にひっそりと建っている、年季の入った店だ。小さい頃、よく父と来ていた記憶がある。
実は今でも、よく通っている行きつけのお店だ。
「ついこの前まで、あんなに鬱だったのに………やっぱり、人間って単純だなぁ…」
そうぼやきながら、目の前に置かれたコーヒーを一口啜る。
「ま、彼のおかげで少しは生きようって思えたし頑張るか…………」
ぐっと腕を伸ばして眠気をとばした。
最近は就職しようかな、と考えているので寝るのが遅くなっている。……あくまで考えているだけだ。ここ重要ね。
そんな事を思っていると、店の扉が開いた音がした。
ふとそっちの方を無理向くと、私は驚きでカップを落としそうになった。
何故ならそこには_______彼が、居たからだ。
「どもっス店長!…………いっ、いつもの1つっス!」
「こんにちはハイド君。今日も元気だね」
「ははっ、よく言われるっスよ」
……彼は私に気がついて居ないようだった。慣れた動きでカウンター席____私の3つ左隣―――に座る。
心臓が破裂しそうなほどドキドキしていた。
そして、表情筋がいつもより死んでいた。
ー続くー
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作者名:ライオムス x他1人 | 作成日時:2017年4月19日 18時