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「好き…にならないし！」
内緒話だったはずなのに、思わず大声で返事をしてしまう。
世間話に花を咲かせていた二宮さんと松本さんが、何事か、と目を大きくさせてこちらに視線を向けてきた。
4つの不思議そうな瞳に捕らえられ、恥ずかしさで頬にカッと熱が集まる。
「あ…、や、私が好きなのはショパンのノクターンだもん…、」
「ロマン派苦手なくせに」
「いいの！好きなんだから！」
やっぱり後悔しかない。
何もかも知っている松本さんが、クツクツと笑いながら、からかってくる。
事情を知らないはずの二宮さんまで、青春だね、とクスクス笑っているのは心外だ。
完全に自分が悪いのだけれど、キッと鋭い視線を智くんに送った。
クツクツと笑うのは、彼も同じで、味方なんて1人もいない。
「…酷い」
「Aは馬鹿なんだよ、いちいち」
そう言って、また可笑しそうにケラケラと大きな笑い声を上げて。
ポン、と私の頭の上にさりげなく手を乗せた。
その重みに、胸が甘い悲鳴を上げる。
今ここにいる、あの日、雨の中初めて出会った智くんとは、同じようで違う、違うようで同じ。
理由なんて、分からない。あるのかも、分からない。知らない。
無理矢理、理由をつけるとするならば、初めて見たそのクシャクシャな笑顔とか。頭の上の手のひらの重みとか。
多分、そんな風な些細なことだ。
それでも、そんな些細な事が積もって、心が彼で一杯になっていく。
A、ともう1度名前を呼ばれた時。
私は、21歳の彼に2度目の恋に堕ちた。
こうして私は、何度目かの初恋を繰り返すのだ。
to be continued.
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ももか(プロフ) - 更新待ってました！嬉しいです⊂( ^ω^ )⊃そして！王子様の番外編！！！青い鳥のほうで知ってからずっとワクワクしていたので本当に楽しみです！ (2016年5月14日 8時) (
レス) id: 2e59c22f85 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - ナリさん» お手製のジェットコースターです(笑)酔ってもらえれば嬉しいなーと思いながら書いています(笑)そういうテンションの感想を頂けるとニヤニヤしてしまいます！ニヤニヤ！次章は更に音楽まみれになりそうですので、引き続きご乗車くださいませ♪ (2016年5月4日 0時) (レス) id: a9db48fee5 (このIDを非表示/違反報告)
ナリ(プロフ) - キタキタキタ。こうなってくるからかおさんですよ〜一筋縄じゃいかんな！笑。読者はこのようにして引き寄せられるんすよ！笑(なんだこのテンション笑)智といえば指。指といえばピアノ。音楽と絡むなんてもうね最高。ごめんなさい、酔っ払っているんです。笑 (2016年4月30日 1時) (レス) id: ade89ee868 (このIDを非表示/違反報告)
かお(プロフ) - ナリさん» わーん( ; _ ; )お久しぶりです！いやいやいや…なんちゅう嬉しいこと言って下さるんですか…(笑)お恐れ多い！と思いつつもとても嬉しいです。雨がテーマだからか、私が書くからなのか(笑)、全体的に湿っぽくなりそうですが宜しくお願いします！！ (2016年4月25日 0時) (レス) id: 82bc3659ba (このIDを非表示/違反報告)
ナリ(プロフ) - やっとツクールに来れました、お久しぶりです！なんていうか、かおさんのお話は普通に作家さんの文庫本の小説を読んでいる気分になります(笑)プロの。表現や雰囲気が洗練されていて読んでいて気持ちがいいですなぁ。特にこのお話、素敵な雰囲気プンプンです(*´艸`*) (2016年4月24日 12時) (レス) id: ade89ee868 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かお
| 作成日時：2016年4月16日 22時
