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私の顔を覗く神山くんの表情は
ものすごく優しくて。
何だか安心する。
A「昔ね…?
…ここで事故があったらしいの…」
神山「“らしい”…?」
A「あんまり 詳しくは
わかんないんだけど… お母さんに聞いたら
ここで 12年前に 事故があったんだって。
私と もう1人の子が ここを歩いていたら
車が突っ込んできて。
…私は ほら、この通り、助かったんだけど、
その子は死んじゃった、らしい…。
…私を守ろうとしてくれたんだ、って。」
神山「そう…なんや…」
A「…でもね、私、それ覚えてないの。
忘れちゃってるの。
…その事故のことだけじゃなくて、
事故が起こる前のことは全部…。
記憶喪失って診断されて。
その事故のショックが
結構大きかったらしくて…そのせいで…」
…なんで 私 こんなに
ペラペラ話してるんだろう。
傘を貸してもらっただけの、この人に。
まだ2度しか会ったことのないこの人に。
今まで 誰かに話そうとしたことなんて
1度もなかったのに…。
なんで…
神山「…泣かんといてや」
A「…え?」
自分の頬に触れると、濡れていて。
ポロポロと 涙が どんどん溢れてくる。
A「っ…」
その涙を神山くんが拭ってくれて
神山「…」
何も言わず 強く 私を 抱きしめてくれた。
私は 神山くんの胸で泣いた。
この降り続く雨のように、私の涙も 止まらなかった。
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ひのりーる(プロフ) - 梅子。さん» うわぁ、めちゃくちゃ嬉しいです(;_;)ありがとうございます!頑張ります!! (2015年11月18日 23時) (レス) id: c73deeb403 (このIDを非表示/違反報告)
梅子。 - 泣きました。一人で号泣です。笑笑ほんまええ話でした!これからも頑張って、くださいね! (2015年11月18日 21時) (レス) id: e8bd018322 (このIDを非表示/違反報告)
ひのりーる(プロフ) - ▼@_Criminal gril_@▼さん» ありがとうございますm(__)m頑張ります! (2015年11月11日 22時) (レス) id: c73deeb403 (このIDを非表示/違反報告)
▼@_Criminal gril_@▼(プロフ) - 物凄い面白いです!!!更新頑張れんれん♪♪ (2015年11月11日 17時) (レス) id: 0c32ba1f81 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひのりーる | 作成日時:2015年11月8日 21時