7話目 浦島さん byれいにゃん ページ9
手入れ部屋から全員が出ていったあと、主は俺の刀をゆっくり抜くと首に手をかざした。
どくどくと流れていた血が止まり、刃の刺さった部分を塞いでいく。
少し時間が立つと息がちゃんと吸えるようになった。
貴)「…あ、るじ…」
出した声は少し掠れていたが異常はないようだ。
主)「Aさん!もう大丈夫?」
貴)「はい、もう平気です…ごめんなさい、ご迷惑をおかけしました」
主)「そんなことないよ、ただ少し傷が深かったから跡が残っちゃったみたい｣
傷跡か…でも、こんな傷俺なら我慢できる。
貴)「そうですか、でも大したことないので大丈夫ですよ」
主)「そうか…それで、なんでこんなことしたんだ?」
やっぱり、聞かれるよね…だけど
貴)「いえ…気づいたら喉に刃が刺さっていて…俺にもわかりません」
これ以上迷惑をかけたくなくて、俺は嘘をついた。
主)「気づいたら…?本当に…?｣
貴)「はい」
主)「でも、無意識に刀を刺すなんて…」
貴)「っ、本当に分からないって言ってるじゃ無いですか!」
気づいたら、俺は大きな声をあげて叫んでいた。
貴)「あ…す、みません…」
しまった…これじゃあまた迷惑をかけるだけだ。
主)「いや…俺の方こそ悪かった。とりあえず部屋に戻って安静にしてくれ」
貴)「はい、わかりました…」
そう言って俺は手入れ部屋を出た。
誰にも気づかれないように、静かに廊下を歩き部屋へ向かう。
浦)「あっ!さっきの新人さん!」
部屋に向かう途中、オレンジ色の髪の男の子に話しかけられた。
この声、どっかで聞いたような…
浦)「さっきの傷もう治ったのか?」
さっき?手入れ部屋にいた誰かだろうか?
貴)「すみません、あなたは…?」
浦)「俺?俺は浦島虎徹!ヘイ!俺と竜宮城行ってみない?行き方わかんないけど!」
貴)「り、りゅうぐう…?」
しかも行き方わかんないのか…
浦)「って！そんなことより傷、もう大丈夫なのか?」
貴)「あぁ、はい、もう平気ですよ」
浦)「そっかーよかった!ところでなんでさっき喉に刀刺さってたんだ?」
浦島さんもそこをつくか…
貴)「…すみません、俺にも分からなくて」
また嘘をついてしまったな。
浦)「ふーん…あ、俺兄ちゃんの所行かなきゃ!そんじゃまた明日!」
貴)「は、はいそれでは…」
兄ちゃん…か
思考を止めるように頭を振るとまた部屋へ歩き出した。
部屋に着くと疲れてしまったのか布団も引かずにそのまま眠りに落ちた。
8話目 読書は楽しい by神無月→←6話目 我慢しなくちゃ by神無月
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 500人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいにゃん(プロフ) - 夜桜狐さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。これからも頑張って更新していくのでよろしくお願いします！ (2016年11月2日 11時) (
レス) id: 67cb19b169 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜狐(プロフ) - 面白いです！ 続きが気になります！ (2016年10月31日 21時) (レス) id: c90e88cca6 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - こんのすけ二号さん» コメントありがとうございます!今の話が落ち着いたら鶴丸との絡み書きますね!w それとレス遅れてすみません… (2015年9月28日 19時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
こんのすけ二号 - 面白いですね！更新頑張ってください！そしてもっと鶴丸との絡みをしてほ((殴スミマセン（汗） (2015年9月16日 7時) (レス) id: f6ea566b76 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - キョロきど@白猫だとナギトさん» コメントありがとうございます…!これからも頑張ります! (2015年8月30日 23時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいにゃん 卍神無月卍 x他1人 | 作成日時：2015年8月7日 19時
