4話目 さよなら by神無月 ページ6
貴) ｢あっご飯…食べないできちゃったなぁ…｣
今更あの場所へは戻れない｡
何時夕餉の時間が終わるのかも分からない｡
兄弟たちがいない時間を狙おうにも､分からない｡
貴) ｢人の体って､不便だな…｣
何となく､お腹が空く｡
空腹を紛らわすように自分の体を寄せれば元から広めだった部屋が余計に広く見えてしまったのでやめた｡
貴) ｢はぁ…どうして俺はこんななんだろう…｣
惨めだなぁ｡
こんな自分嫌いだ｡
俺だって兄に当たるのだから､弟達にもっと頼られたい｡
俺だって弟なのだから､兄さんにもっと甘えたい｡
皆ともっと遊びたい｡
もっと話がしたい｡
もっと笑いたい｡
けれどそれは全て願ってはいけないことで
願っても叶わないことで
俺にはもう一生かかっても無理なことだ｡
笑い合うことさえ高望みなのだ｡
貴) ｢…どうして､俺はこうなってしまったんだろう…｣
俺がいなくなれば､弟達も兄さんも､喜んでくれるのだろうか?
それはそうなのかもしれない｡
だってさっきだって言っていただろ?
｢もう会わないと思っていたのに｣
俺がいなければもう会わなくて済むよな｡
｢気安く名前を呼ぶな…!｣
俺は
俺は､兄弟の名前さえ呼べない｡
資格が無い｡
呼んだらいけないらしい｡
何時か､兄弟の主にしたように｡
何時か､人間にしたように｡
己の刃を鞘から抜いて
己の刃を己に向けて
刃を喉元へ近づけて
なぁ
こんな兄はいらないだろ?
こんな弟はいらないだろ?
…もう､さよならしよう?
二度と会わなくて済むように
二度と名前を呼ばれなくて済むように｡
俺はもういなくなるから､皆には笑っていてほしい｡
あぁ､恐いものだな…｡
きっと俺を向けられた人間も､こんな気持ちだったんだろう｡
ぐっと握る手に力を入れて
己の喉に
刃を突き刺した｡
貴) ｢か､は…っ!｣
あぁ痛い｡とても痛い｡
痛いのは嫌いなのになぁ…｡
血が滴り落ちていく｡
あぁ､見るのも嫌いだったなぁ…｡
獅) ｢入るぞー…っておい!!何やってんだ!?｣
誰かが俺の部屋に入ってくる｡
見られたくないところを､見られてしまった｡
5話目 失敗 byれいにゃん→←3話目 紹介 byれいにゃん
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れいにゃん(プロフ) - 夜桜狐さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。これからも頑張って更新していくのでよろしくお願いします！ (2016年11月2日 11時) (
レス) id: 67cb19b169 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜狐(プロフ) - 面白いです！ 続きが気になります！ (2016年10月31日 21時) (レス) id: c90e88cca6 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - こんのすけ二号さん» コメントありがとうございます!今の話が落ち着いたら鶴丸との絡み書きますね!w それとレス遅れてすみません… (2015年9月28日 19時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
こんのすけ二号 - 面白いですね！更新頑張ってください！そしてもっと鶴丸との絡みをしてほ((殴スミマセン（汗） (2015年9月16日 7時) (レス) id: f6ea566b76 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - キョロきど@白猫だとナギトさん» コメントありがとうございます…!これからも頑張ります! (2015年8月30日 23時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいにゃん 卍神無月卍 x他1人 | 作成日時：2015年8月7日 19時
