10話目 兄弟の存在 骨喰side by神無月 ページ12
貴) ｢夢みたいだよ…!弟が俺に話しかけてくれるなんて…!｣
目を輝かせながら俺の方を見て兄弟はそう言った｡
骨) ｢…そうなのか?｣
貴) ｢うん…｡昨日の､見ただろ?俺､嫌われてて…｣
｢あんなの毎回やられてたら命がいくつあっても足りないよね｣､なんて笑う｡
｢近づかないでください｣
｢何をしでかすかわかりません｣
｢忌み嫌うべき存在です｣
｢主が兄弟の刀で斬られている｣
言われた言葉が脳内を巡る｡
言われた事柄が､脳内を巡る
しかし目前の兄弟は
ただただ俺に話しかけられて嬉しいと
それだけで満足している｡
骨) ｢…そんなに､話しかけられるのが嬉しいのか?｣
貴) ｢あぁ､とても嬉しいよ｡俺から行こうとすると皆離れてしまうから､話ができないんだ｣
他の兄弟がこの兄弟を避けているのは何となく分かる｡
ただ俺には記憶が無い｡
疑えと言われても
兄弟を疑うことができない｡
貴) ｢ここのご飯はとても美味しそうだよね!…怒られないうちに食べてしまおうか｣
そう言い小さい子供が悪戯を企むような笑みを浮かべる兄弟｡
骨) ｢そうだな､早くしないと冷めてしまう｣
貴) ｢いただきます!｣
骨) ｢いただきます｣
終始兄弟の浮かべる笑みは
人を斬ったとは思えぬ､無邪気な笑みだった｡
本当に､遠ざけるべき存在なのか?
俺には､分からなかった｡
他の兄弟達はこぞってこの兄弟を嫌うけれど
俺には､この兄弟を嫌う理由がよく分からない｡
普通に話して､普通に笑う､この兄弟を
他の兄弟は見たことがあるのだろうか?
骨) ｢…毎度思う､ここの料理は美味い｣
貴) ｢んん!すっごい美味しい!｣
骨) ｢…俺にはわからない｡何故､他の兄弟が嫌っているのかが｣
貴) ｢それはね､俺があの子達の最愛の主を斬ってしまったからだよ｣
骨) ｢それは兄弟たちから聞いている｡しかしそれだけであんなに毛嫌いするものなのだろうか?｣
貴) ｢…皆､亡くなった主のことが悲しくて､俺のことが憎くて仕方がなかったんだよ｣
兄弟にあんな言われようをしているのに
目前の兄弟はそれを物ともせず
逆に兄弟たちを心配して
悲しんで
何故か兄弟の物言いに､暖かなものを感じた｡
11話目 出撃… byれいにゃん→←9話目 朝餉の時間 byれいにゃん
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 500人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れいにゃん(プロフ) - 夜桜狐さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえて嬉しいです。これからも頑張って更新していくのでよろしくお願いします！ (2016年11月2日 11時) (
レス) id: 67cb19b169 (このIDを非表示/違反報告)
夜桜狐(プロフ) - 面白いです！ 続きが気になります！ (2016年10月31日 21時) (レス) id: c90e88cca6 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - こんのすけ二号さん» コメントありがとうございます!今の話が落ち着いたら鶴丸との絡み書きますね!w それとレス遅れてすみません… (2015年9月28日 19時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
こんのすけ二号 - 面白いですね！更新頑張ってください！そしてもっと鶴丸との絡みをしてほ((殴スミマセン（汗） (2015年9月16日 7時) (レス) id: f6ea566b76 (このIDを非表示/違反報告)
れいにゃん(プロフ) - キョロきど@白猫だとナギトさん» コメントありがとうございます…!これからも頑張ります! (2015年8月30日 23時) (レス) id: a618e215cf (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れいにゃん 卍神無月卍 x他1人 | 作成日時：2015年8月7日 19時
