第195話 ページ45
話の節々に彼女の中には俺がいて
まるで毒針で刺された気分になる
…それでも、それでも
お酒もまわって会話すれば
いつしかいつもみたいな会話で
まるでであった頃にタイムスリップしているみたい
また、あの頃みたいに
出会った頃は本当に隣で見ているだけ
気がつけば目で追っていて
気がつけば君が来るのを楽しみに待っている
それで…
『江口さん？』
「うーん？」
『つまんなかったですか？ごめんなさい…』
「違う違う、昔を思い出してて」
『え？』
「昔、あった物語の話」
『へー物語ですか？』
「あ、聞く？」
『是非』
「雨が嫌いなお姫様の話」
『へぇ、面白そうですね』
「でしょ？」
「あ、でも、まだ、話は完結してない」
『そうなんですか？』
「でもね、きっと素敵なエンドにする」
『あはは、江口さんが？』
「そう、俺、ハッピーエンドが好きだから」
そう答えたら、君は数回瞬きをした
『…江口さんらしいですね』
…なんだか少しデジャブで
懐かしさを覚える
前もあったなって
いいや、いつもか
君が俺の隣で呑んでいて
それを俺が見つめてる
すごく綺麗に笑って
俺の下らない話にいつも付き合ってくれて
そんな光景が俺は大好きで…
ほら、また…
また君は、いつもみたいに笑うんだ────
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
そんな時間も気がつけば終わりを迎えていて
病み上がりの身体を夜遅くまで連れ出すのは出来ず、終わりの鐘が鳴る
ここで少し問題があった
「そろそろ帰ろっか」
『そうですね、ご馳走様でした』
「いえいえ、お祝いだから」
…そう、君が帰る場所についてだ
一応同棲はしてたから俺の家に来るのが普通なんだけど…
まだ新居に引っ越す前だから仮同棲
挙句に、彼女は記憶が無い
…流石に男とね…
寂しさがあるが、彼女は彼女の家に帰るのがいいと答えを出した
「送っていくよ」
『ありがとうございます』
そして、少し酔い覚ましに前みたいに歩いて帰る
『…江口さんはお家近いんですか？』
「…うん、割と」
通い慣れた道を君と2人並んで歩く
…確かここで抱きしめたっけ
…そういや、このコンビニで…
そんな思い出が溢れてきた
『あ、あそこです』
気がつけば彼女の家の前
「気をつけてね」
『ありがとうございました、では、また』
そういって彼女は手を振る
…もう少しだけ居たいって素直に言えたなら
どれだけ楽だろう
「うん、おやすみ」
そういって俺は彼女に背を向けた
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雅 - eriiiさん、いつもありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです。良かったらBGM素敵なやつを脳内再生しながら読んで頂けたら笑^^*引き続き、続きもよろしくお願い致します。 (2021年4月24日 22時) (
レス) id: 6254493976 (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、素敵な感想ありがとうございます。今日更新しましたので、続きもぜひよろしければ^^*そう言って下さりとても嬉しいです。頑張りますね^^* (2021年4月24日 22時) (レス) id: 6254493976 (このIDを非表示/違反報告)
eriii(プロフ) - きゃー！！ドラマだったらここで絶対主題歌が流れて、次週に持ち越しの展開ですね！←読んでてめっちゃにやにやしちゃいました(*^^*) (2021年4月24日 6時) (レス) id: 5892b12f93 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 夢主ちゃんの場所は、江口さんの隣だと感じてほしい。そして、いつも雅さんの素敵な書き方に感動しています。続きも頑張って下さい！ (2021年4月24日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 更新お疲れ様でした。ドキドキしながら読んでいきました。お互い想い合っているのになぁ…と思いながら、でも夢主ちゃんが何を感じで江口さんに駆け寄った時には胸にきました。全部思い出してないかもしれないけど (2021年4月23日 23時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2021年3月28日 0時
