おまけ話��: afterstory 〜完〜 ページ50
タクシーに乗ってからはお互いに黙り
さっきまでの騒がしさはなく、静寂な時間が続いた
『…寝れていましたか？』
彼女がそう呟く
｢うん、昨日もめっちゃ寝た｣
『そうですか』
『ちゃんと食べていましたか？』
｢うん、今日もめっちゃ食べて飲んだ｣
『それは良かったです』
｢……｣ 『……』
久しぶりに会ったから何を話していいものか
そんなことを考えていたら、
気がつけば彼女の家の前
『えっと…では、また』
そう彼女は、降りていく
おいくらですか？と聞く彼女を止めて
｢すみません、僕も降りるんで｣
『えっ？』
そう言ってそのまま、会計を済ませた
｢玄関の前まで送るから｣
そう言って、タクシーを後にする
エントランスを通って、エレベーター前まで
スっと彼女に手を差し伸べた
｢ん｣ 『…はい』
差し出した手に気がついて、彼女も優しく手を握る 彼女の手は冷たくて気持ちが良かった
エレベーターから降りると、
いよいよこの時間の終わりを告げる
｢……あのさ｣ 『は、はい！』
急に声をかけたから、
びっくりした声が出る彼女
｢…2週間、会えなくてごめん｣
大丈夫だと思ってた
でも、やっぱり“そこ”の物差しは彼女と俺とでは違くて、彼女にとっての2週間と俺の2週間は違うってこと
『私こそ、さっきの怒ってます？』
なんて、上目遣いで聞いてきたから、
可愛いなって
｢怒るわけないじゃん〜、あ、でも傷ついた｣
『え！？す、すみません…』
｢……宏太朗と何話したの｣
…どっちかって言うと嫉妬の方が勝っていて
『え！？ふふっ、秘密です』
って答える彼女
｢えー、教えてよ｣
『…江口さんの話ですよ？』
｢え、俺？｣
そう言って足を止めれば、もう彼女の部屋の前
｢じゃー、今度聞かせてね？絶対｣
『ふふっ、では、またいつか』
｢ん、じゃあ、おやすみ｣
『おやすみなさい』
名残惜しいけど、そっと俺は立ち去る
次は、ちゃんと会いに行……『江口さん！』
急に彼女が背中にしがみつく
｢え！？なになに｣
『あのっ…』 ｢んー？｣
『……もう少し一緒にいたいって言ったら』
『……ワガママですか？』
そう彼女は呟いた
…あ〜、これはまた
｢…ワガママ、じゃ、ない｣
｢その…、甘えてくれて、嬉しい…です｣
照れくさくて髪をいじる
そう伝えると、ぱっと花が咲くように笑って
『…勇気出して言ってよかった』 って
あ〜…くそ可愛い
彼女の部屋の扉がガチャリと閉まる
そして玄関には仲良く2人分の靴があった
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雅 - Aさん» Aさん、コメントありがとうございます。・・・好きな場面まで！ありがとうございます。感想を言って下さるのはとても嬉しいです。今後の参考にさせていただきますね。 (2020年11月26日 0時) (
レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、最後まで読んでくださりありがとうございました(*^^*) (2020年11月25日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - afterstoryもとっても素敵でした！！個人的に花言葉入ってるのがすごく好きできゅんってしました；； (2020年11月25日 12時) (レス) id: a957c976a9 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - こちらこそ、素敵な作品を作って頂きありがとうございました！リクエストした宏太朗くんの話も素敵でした！２人の幸せが伝わる感じでした(^^) (2020年11月24日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、リクエストありがとうございました。おまけ話は完結させて頂きました。毎回コメントもありがとうございます。こちらの作品はこれで全て終わりとなりました。今まで読んでくださり大変ありがとうございました。 (2020年11月23日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2020年10月21日 22時
