第228話 ページ28
『…着ました？』
未だに突っ伏している彼女
｢いや、着てない｣
『えー！早く着てくださいよ！顔をあげれない…』
｢いや、でもね？｣
『着たら呼んでください』
｢雫さーん、雫さーん｣
『……はい？』
｢…うーんと、じゃあ…脱いで？｣
『はい！？』
｢俺の｣
『？？』
｢いや、だからね？雫が着てるのが俺の服なの｣
『え！？』
ガバッと顔をあげた彼女
すぐさま自分の身なりを確かめる
『……』
｢だからさ、着替えられな……『わ、分かりました。脱ぎます』｣
プチッと1番上のボタンを外し始めた
え、嘘まじ？
急激に立場が逆転
思わずガン見をする
『……えっと』
2つ目のボタンに手をかけた時だった
『……う、後ろ向いてもらっても？』
｢……あ｣
｢あっ、そ、そうだよね、ごめん｣
ソワソワと後ろをむく
うー…ですよね
タオルケットを肩にかけて、彼女も後ろを向いてお互い背中合わせ
…えーっと
なんとも気まづい間が
『すみません、お借りしていたみたいで』
スっと背中側から先程まで彼女が着ていた
服が綺麗に畳まれて返ってきた
いや、そこまではいい
待ってくれ、いや待ってくれ
つ、つまり今、彼女は全……
急いで振り返る
｢……｣
『？どうかしました？』
｢……ですよねぇ｣
……ちゃんと自分の服に着替えてました
ごめんね、ちょっと期待して、うん。
受け取った服に袖を通す
彼女の残り香と温かさに
少しばかりドキッとした
『……あっ』
｢ん？｣
急に彼女は俺の背中に手を伸ばす
｢どーしたの｣
『……すみません』
スーッと背中をなぞる
｢ひぃっ、えっ！？
なになに、擽ったいんだけど｣
思わず朝から大きめな声が出た
『…痛いですか？』
｢え、擽ったいけど…え、なに｣
部屋に置いてあった鏡を指さす彼女
鏡に背中をうつすも、体がかたくて見れない
｢え、なに、まじで｣
『……傷…』
｢傷？｣
『……私の……爪痕…』
後半の方小声になっていく彼女
…あー、そういう事ね
爪は切っていたんですけど…
ってもごもご呟いて
心配そうに可愛らしい眉が八の字になってる
｢いーよ、大丈夫｣
『で、でも！！大事な体に傷を……』
｢大丈夫だって笑
仕事で脱がないから笑
俺、何を職にしてると思ってるの｣
『でも…』
｢それにさ…あのさ、お互い様でして｣
『…えっ？』
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雅 - Aさん» Aさん、コメントありがとうございます。・・・好きな場面まで！ありがとうございます。感想を言って下さるのはとても嬉しいです。今後の参考にさせていただきますね。 (2020年11月26日 0時) (
レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、最後まで読んでくださりありがとうございました(*^^*) (2020年11月25日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - afterstoryもとっても素敵でした！！個人的に花言葉入ってるのがすごく好きできゅんってしました；； (2020年11月25日 12時) (レス) id: a957c976a9 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - こちらこそ、素敵な作品を作って頂きありがとうございました！リクエストした宏太朗くんの話も素敵でした！２人の幸せが伝わる感じでした(^^) (2020年11月24日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、リクエストありがとうございました。おまけ話は完結させて頂きました。毎回コメントもありがとうございます。こちらの作品はこれで全て終わりとなりました。今まで読んでくださり大変ありがとうございました。 (2020年11月23日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2020年10月21日 22時
