第201話 ページ1
ぼーっと雨が上から下へ落ちるのを見ていると、おんぶされている子供は手に握っている何かをブンブンと振りだす
…あー、車のおもちゃか
懐かしいなぁ…小さい時よく俺も恐竜とかのおもちゃ持ってたっけなぁ
すると、その子をおんぶしているお父さんの携帯の着信音が鳴り出し、電話に出るお父さん
赤信号は青へとかわり
止まっていた時間が動き出す
俺も彼女も、前を歩くそのサラリーマンと子供を追うようにゆっくりと歩みだした
白い白線を踏まないように歩幅を大きく開く
特に意味は無いが、なんだかよくしてしまう癖
ちらりと彼女を見ると傘の柄を
ぎゅっと握りしめていた
｢……｣
｢…ねぇ、雫さん、手｣
俺は彼女に手を差し出す
『…え？』
｢いいから、手、繋ご｣
『でも…』
外だからもあり、彼女は俺の事気にしているのかなかなか手をとらない
｢いーから｣
無理やり彼女の片手をとり、握る
握った手はとても冷たかった
彼女は無意識か、俺の手をぎゅっと力を込めて握る
元々長い横断歩道ではあったが、
なんだか今日は長く感じた
やっと渡りきると、
よく分からないがほっとした様な彼女
｢…大丈夫？｣
『えっ、あっ、はい』
…雨のせいかな
なんて思っていると、俺らの手を繋いでる
足元の間を何かが通る
｢ん？｣ 『…え？』
…タイヤ？
ふと顔をあげると、子供が持っていたおもちゃの車が落ちている
そのうちの片方の車輪がどうやら落ちた時に
外れてしまったようだ
電話をしていて気づかないお父さん
一方で落とした子供は、今にも泣きそうな顔をしている おんぶされてることもあって、手を伸ばしているが勿論届かない
ちらりと後ろを振り返ると、長い横断歩道ということもあり、信号もどうやら長いようだ
それにこの雨に住宅街近くということもあり、大して車も通っていない
…よし、じゃあ…
｢あ、ごめん雫さん、あの子の車拾ってあげて？｣
『…えっ、江口さんは？』
｢ちょっと俺、タイヤとってくるわ｣
そんなに遠くには転がってはいないが、横断歩道の真ん中付近まで転がっていた
『…次のじゃダメなんですか？』
｢それじゃ、あの人行っちゃうし。大丈夫、大丈夫、まだ、信号青だから｣
急いで取りに行こうとした
きゅっと服の端を掴まれる
『…行っちゃ駄目です』
｢ん？大丈夫、大丈夫｣
俺は彼女の手を優しく解くと、タイヤを取りに行った
心配そうに見ていた彼女も、男の子が落とした車を拾い、サラリーマンを追いかけた
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雅 - Aさん» Aさん、コメントありがとうございます。・・・好きな場面まで！ありがとうございます。感想を言って下さるのはとても嬉しいです。今後の参考にさせていただきますね。 (2020年11月26日 0時) (
レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、最後まで読んでくださりありがとうございました(*^^*) (2020年11月25日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
A(プロフ) - afterstoryもとっても素敵でした！！個人的に花言葉入ってるのがすごく好きできゅんってしました；； (2020年11月25日 12時) (レス) id: a957c976a9 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - こちらこそ、素敵な作品を作って頂きありがとうございました！リクエストした宏太朗くんの話も素敵でした！２人の幸せが伝わる感じでした(^^) (2020年11月24日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、リクエストありがとうございました。おまけ話は完結させて頂きました。毎回コメントもありがとうございます。こちらの作品はこれで全て終わりとなりました。今まで読んでくださり大変ありがとうございました。 (2020年11月23日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2020年10月21日 22時
