雨音シンドローム IV

第197話 ページ47

｢…さてと、お昼食べに行こっか｣

『そうですね！お腹すきました！』

時計の針はもう1時半すぎ
少しばかり遅くなってしまったお昼
リラックスしたせいか、お腹も空いた

｢あ、ちょっと待ってね。予約したんだわ｣

『ええ！わざわざすみません。江口さんの紹介するお店とかすごく楽しみです〜！』

彼女のために事前に予約したお店
良平さんからおすすめされたオシャレなとこ
場所を確認しようとスマホをチェック

｢…ん？｣

『どうかしました？』

スマホでチェックして嫌な文字を見つける
…まさか、な

スマホに書かれてたのは
お店がディナーしか今日はしないという文字

…いや待って待って、だって俺予約したし…

慌てて連絡を入れる
何回かコールして、無事つながり少しばかりホッとする

｢…あ、すみません、今日ランチ予約した江口と申しますが…｣

｢江口様ですか…えーっと…。大変申し訳ございませんが、本日当店はディナーのみでして…｣

｢え、でも、予約したはずなんですが…｣

｢左様でございますか…。
少々お待ち下さい、只今確認して参ります｣

…えぇ…まさか

ドキドキしながら保留音を聞いている
向かえに座ってる彼女は不思議そうに見つめていた

｢…お待たせ致しました。〇月〇日の予約で…江口様で宜しかったでしょうか？｣

｢あ！はい！｣

よかった！予約してた〜！

ホッとした、その瞬間だった

｢お客様…こちらの予約は来年となっておりますが…｣

｢え｣

｢来年のこの日付にご予約になっておりますが…｣

｢え、嘘でしょ！？｣

だって…だって！ランチ予約って…

｢来年のこの日ですと…ランチも行っておりますので…。本日は生憎ディナーしか営業はしておりませんので…失礼ですが…お客様がお日付をお間違えになられたのかと…。｣


｢…あぁ…そうですか…あ、はい、すみません…
。確認ありがとうございました｣

……やってしまった
確かに予約した日慌てて予約したし(人気店だから)疲れててちゃんと確認してなかった…

落ち込みながら電話を着ると、彼女にすぐさま頭を下げた

｢…あの、悲しいお知らせが｣

『あれま。なんでしょう？』

薄々会話で気づいているだろうけど

｢予約間違えて…来年に予約してた…｣

｢ごめん｣

一瞬目を大きく開く彼女

やらかした…うわぁ…誕生日なのに

『…ふっ…』

落ち込んでいると彼女が急に吹き出した

『あはは、来年ですか！随分先ですね！』

｢え｣

くすくすと彼女は笑いだした

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