第155話 ページ5
貴女side
『…か、関係者と言いますか…そのっ』
…なんて答えればいいか分からない
関係者と言っていいのだろうか?
そもそも、もしかしたらスタッフさんにも隠していたり?…下手に何かを言うことが出来なくてついつい言葉につまる
「あ!もしかして!どなたかの御家族の方ですか?それはそれは大変失礼致しました。差し支えなければ、どなたか教えていただいてもよろしいですか?」
僕たちからも、差し入れのお礼したいので
と、その若めのスタッフさんが言う
『えっ…と、その…』
「はい、あっ!お菓子、ありがとうございます、態々僕たちの分まで…」
先程不審者を見るような目から、少しだけ優しそうな目に変わる
そ、そりゃ怪しく見えたよね…
なんて思いつつ、とりあえずチャンスは今しかないと思い
『すみませんが、これ、江口さんに渡していただいても大丈夫でしょうか?』
そう一言付け加えた
「あっ!江口さんの関係者の方でしたか!これはこれは失礼致しました。そうですね、江口さん沢山チケット配ってましたもんね」
…そうなんだ、それは知らなかった
もしかして先日誘われたのはそのお誘いだったのか…と、今になって悟る
「あ、楽屋に案内しましょうか?丁度終わったことですし」
『あ、いえ。大丈夫です。本当にご迷惑でなければ…その、渡していただけると。それだけで十分ですので』
『あ、あと、ちゃんとお店で購入させて頂いたお菓子ですので。変なものは入っていないかと…』
見ず知らずの人から貰うのだ、一応念の為そう伝えた
そして紙袋を渡すと、慌ててもと来た道を戻ろうとする
「あっ、待ってください。あのっ!」
「差し入れ、ありがとうございます!」
そう若いスタッフさんはにこやかにお礼を言った
その言葉に安心して、私は一礼してその場を後にする
急いで戻ると、ぞろぞろと感想を言いながらお客さんたちが出てきていた
キョロキョロと見渡し、私もドア付近で職場の子を待つ
「あー!いたいた!雫さん!」
『ごめんね、急に出ていっちゃって』
「こちらこそ。大丈夫でした?」
『うん、大丈夫。とっても素敵なお芝居でついつい涙出ちゃって』
「あー!よかった。どこか具合悪いのかと」
『ごめんね、心配ありがとう』
「いえいえ、今日はお付き合いありがとうございます!助かりました!」
『こちらこそ、誘ってくれてありがとう』
本当に…今日来れてよかった─────
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雅 - サチさん» サチさん、ありがとうございます。とりあえず第4章がいっぱいになりましたので、5章までいきそうです。長くなってしまいましたが、いつもコメントを下さりありがとうございます(*^^*) (2020年10月19日 23時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 読みます!読みます!ゆっくり更新でも大丈夫です!完結まで頑張って下さい。楽しみに毎回待っています(^^) (2020年10月19日 22時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、ありがとうございます!(*^^*)はい!後半編です。また、作品自体終盤ですので、ゆっくり更新ですが読んでくださると嬉しいです(*^^*)本当にいつもコメントありがとうございます! (2020年10月19日 18時) (レス) id: ff32d91f5a (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 連投すみません。今回も沢山の更新だったので、嬉しかったです(^^)お疲れ様でした!誕生日も後半ですかね?この後どうなるのか楽しみです! (2020年10月18日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
サチ - ドキドキしましたが、流石です!そして、ほのぼのとした感じで良かったです!2人の会話の雰囲気?がとても好きです。 (2020年10月18日 0時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雅 | 作成日時:2020年9月19日 22時