第53話 ページ3
夜でもよく分かった
月明かりに照らされた彼女の頬があかいことを
髪の隙間から出た彼女の耳が赤く染まるのを
「…いいから」
『…え？』
「続けて」
そう彼女の横に垂れた髪を
そっと耳にかけてあげる
「続けて、」
『…えっと…』
「聞きたい」
『でも、私ばっかり、その…』
「紬さんの話、聞きたい」
「だから、続けて」
言葉には不思議な力があると思う
言葉一つで気持ちがわかるから
一種の職業病かもしれない
…でも、今はただ
今はただ、楽しそうに話す彼女の声を
もう少しだけ聞きたいと思った────
『……ありがとう！』
彼女は少し照れくさそうにハニカミながら
また楽しそうに説明の続きを始めた
心地良い時間
いつもの今の時間は
仕事のことか、スマホを見るか…
そんなことばかりで時間を使って
暑くて苦手な夏の夜
苦手だけど
今だけは、本当に心地が良かった────
…あー
…あの人にお礼、しなきゃな
たまたま、だって言ってたけど
チケット、有意義に使ってしまったから
からかわれるだろう未来に
少しだけ気だるさをおぼえたのは内緒の話だが
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後に彼女の大好きな花のエリアまで来て
ゆっくり歩きながら見ていく
看板の説明を見なくても名前がスラスラ出てくる彼女は、無料できけるガイドさんだ
『あー幸せ』
「…そりゃ良かった」
『こんな素敵なところに連れてきてくださって！本当に今日のお誘いありがとうございます！』
「いえいえ」
たまには花、サービスして下さい
なんて冗談なんかこぼして
『梅原さんはどうでした？』
園内にあったベンチに座りながら
近くにある花を眺めていると彼女は
心配そうに聞いてきた
「俺？」
『うん』
「んー、面白かった。紬さん詳しいからさ、勉強なるし。良いとこだったし楽しかったですよ」
そう答えるとほっとした表情
あー、なるほどね
「言ったでしょ」
『えっ…？』
「俺が聞きたかったんですから」
『…』
「まぁ、強いて言うなら話してる時興奮して鼻穴ちょっと広がってましたよ」
『え！！嘘！』
そう言って鼻をおさえた彼女
「……ってのは冗談で」
『…もぉ〜〜！！本気にしちゃいましたよ！』
「楽しかったです」
『…っ！』
「貴女と来れて良かった」
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雅 - サチさん» サチさん、お久しぶりです。いつもありがとうございます。番外編も宜しければ(*^^*) (2021年12月3日 23時) (
レス) id: 62c9195d0c (このIDを非表示/違反報告)
サチ - お久しぶりです。西山さん、何やら新しい出会いですかね？楽しみです😊 (2021年12月1日 8時) (レス) @page17 id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、いつもコメントありがとうございます。お久しぶりです。返信遅くなりすみません。こちらの作品も最後まで読んでくださりありがとうございます。また、何かの機会に読んでくだされば嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。 (2021年9月24日 0時) (レス) id: 6254493976 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 完結おめでとうございます！タイミングがなく、なかなか読めていなくて、完結に焦りました！でも、すごく素敵でした！本当にほっこりするお話しをありがとうございました！ (2021年9月18日 1時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2021年8月11日 21時
