第62話 ページ12
…あー、確かにルイくんと呼ばれるものが
人なのか、動物なのかは言ってなかった
勝手に早とちりして勘違いしてたのは…俺か
『触ってみます？とってもいい子ですよ』
そう彼女は俺に言う
俺はしゃがみこみ“彼”に触れた
ふわふわで可愛くてとってもお利口さんな子
「…ちなみに俺は猫派」
なんて冗談で言えば
『噛み付いていいですよ！ルイくん！』
なんて物騒なことを言った
『ルイくんの可愛さを分からないだなんて〜』
「あはは、動物は好きですよ」
俺が数分“彼”に触れると
触れてもらって満足したのか
彼女の足元で伏せをした
本当にお利口さんな子だ
…さて、
「で、話は戻すけど」
そう俺は先程の話へ戻す
「…夏の宿題、答え、あってます？」
俺は彼女にもう一度そう話すと、
彼女は黙って沈黙を決める
それは静かな時間だった────
静かで穏やかな時間
店の屋根にポツポツ雨音が響き
地面を濡らした雨がつーんと香る
そして店内に香るのは花の甘い香り
自然と俺の心は穏やかだった
『…あってます、って言ったら？』
しばらく沈黙していた彼女は呟く
彼女の声もとても穏やかだった
『…あってますと言ったら…』
『梅原さんは…
もうここには来てくれませんか？』
そう彼女は静かに呟く
あの月見草の花言葉
俺はてっきり大事な人がいると思っていたから
俺の気持ちがバレてると思ってた
…でも、違った
「…そう、ですね」
もうここへは来てくれませんか、か
そうだよなぁ
一般人と俺(表舞台にたつ人間)だもんな
きっと俺はそうしただろう
彼女の気持ちを知ったなら
きっとここにはもう来ない
『では、忘れてください』
『大事なお客様を、友人を…無くしたくはありませんから』
そう彼女は笑った────
元に戻るなら今で────
夏の恋を終わらせるのは今で────
「…あの」
『…え？』
彼女の前にそっと俺は立つ
「宿題返し、していいですか？」
「出されてばかりじゃずるいんで」
『…え？』
そうして俺は紙袋からあるものを出す────
『…梅原さん、それって────』
仕事帰り、駅前で買ってきたもの
彼女だったら、と俺が買ってきたもの
…そう、それが俺の答え────
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雅 - サチさん» サチさん、お久しぶりです。いつもありがとうございます。番外編も宜しければ(*^^*) (2021年12月3日 23時) (
レス) id: 62c9195d0c (このIDを非表示/違反報告)
サチ - お久しぶりです。西山さん、何やら新しい出会いですかね？楽しみです😊 (2021年12月1日 8時) (レス) @page17 id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、いつもコメントありがとうございます。お久しぶりです。返信遅くなりすみません。こちらの作品も最後まで読んでくださりありがとうございます。また、何かの機会に読んでくだされば嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。 (2021年9月24日 0時) (レス) id: 6254493976 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 完結おめでとうございます！タイミングがなく、なかなか読めていなくて、完結に焦りました！でも、すごく素敵でした！本当にほっこりするお話しをありがとうございました！ (2021年9月18日 1時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2021年8月11日 21時
