第51話 ページ1
太陽の日差しが暑い昼間と違い
しーんと不思議な雰囲気の夏の夜
昼間よりは暑さは落ち着いているとはいえ
熱帯夜と言う表現の方がいいだろう
「……」
目の前にはよく行く店
昼間と違ってみえて、
「こんな店だっけ？」なんて思う
「ごめんください」
電気が消えているとはいえ、
鍵があいていた正面入口から店の中へ
暗闇の中に花たちが浮かび上がった
美しさの中に不気味さも感じる
「…すみません」
2回目、声をかけた
すると────
『はーい！今行きます！』
ドタドタと足音を軽快に鳴らしながら、
店側にやってきた女性
そう──
「準備出来ました？“紬”さん」
『はい！すみません、迎えに来て頂いて…』
こんな状況なのも、彼女を俺が誘ったから
「また襲われても困るんで」
そう言うと彼女はカバンから
『防犯ブザー持ってきました！3個！』
って俺にみせてきてついつい笑った
「使えなかったら意味無いでしょ」
『唐辛子スプレーもありますよ』
「なにそれ、ちょっと面白い」
そんな会話をしながら
彼女は店の戸締りをする
「いいっすか？」
『ええ』
まるで遠足に行くみたいに嬉しそうに
俺の隣を歩く彼女
『興奮しちゃって、ご飯3杯食べちゃいました！』
「食べすぎでしょ、それは」
『楽しみで、楽しみで！』
彼女はすごく嬉しそう
俺が誘った時も最初は驚いていたが…
『私にその権利頂けるんですか！』
なんて喜んでいた
『なんだか夜のお出かけってドキドキしちゃいますね！』
「そうですか？」
『うん、なんかちょっと悪いことしてるみたいでドキドキしちゃう！』
門限が厳しかった、と言う彼女
「え、じゃあ飲みにいったりとか」
『ないですね〜』
「夜遊びは？」
『あまりしてないですね…あっ！』
「はい？」
『るいくんと散歩するくらいかな！』と
…るいくん？
『あ、お話しませんでしたっけ？るいくんは家族と同じくらい大切な人なんです！』
…大切な人…？
…へぇー
いたんだ、大切な人
なんだか少しイラッとして
「どんなやつなんです？」なんて聞いた
『そうですね、梅原さんに少し似てるかも』
そう“彼”を思いながら話す彼女をみて
胸がチクチクっとした
同時に俺は驚いた
だって、俺にもそんな感情があったんだから
「そいつのこと、好きなの？」
『はい！大好きです！』
嬉しそうに答えた
…はぁ
…聞くんじゃなかった
だって俺はこの“胸の痛み”の
止め方を知らないから
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雅 - サチさん» サチさん、お久しぶりです。いつもありがとうございます。番外編も宜しければ(*^^*) (2021年12月3日 23時) (
レス) id: 62c9195d0c (このIDを非表示/違反報告)
サチ - お久しぶりです。西山さん、何やら新しい出会いですかね？楽しみです😊 (2021年12月1日 8時) (レス) @page17 id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
雅 - サチさん» サチさん、いつもコメントありがとうございます。お久しぶりです。返信遅くなりすみません。こちらの作品も最後まで読んでくださりありがとうございます。また、何かの機会に読んでくだされば嬉しいです。いつも本当にありがとうございます。 (2021年9月24日 0時) (レス) id: 6254493976 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - 完結おめでとうございます！タイミングがなく、なかなか読めていなくて、完結に焦りました！でも、すごく素敵でした！本当にほっこりするお話しをありがとうございました！ (2021年9月18日 1時) (レス) id: 379e7fdd5e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雅 | 作成日時：2021年8月11日 21時
