僕の秘密、キミのヒミツ。 (ページ33)

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優しいキミの笑顔ページ33

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今日は大学はお休み。

今家にいるのは、裕翔以外のみんな。

裕翔はリハビリに行っている。

さっきお昼ご飯を食べ終えたところ。

これからゆっくり読書でもしようかなと、自分の部屋に戻った。

八乙女「阿部ちゃん、なんか阿部ちゃんの知り合いだっていう人が来てるけど…」

阿部「分かった、ありがとう。」

こんな時間に誰が来たんだろう。

不思議に思いながらも、階段を駆け下りて玄関に向かった。

悲劇の幕開けだとも知らずに。

阿部「はーい。」

そう言って玄関のドアを開けると、

？「久しぶり、」

阿部「…えっ、誰ですか？」

？「僕だよ僕。覚えていないの？」

思い出した。

ボクの、父親だ。

阿部「…なっ、何の用？」

「お前を連れ戻しに来た。」

阿部「…な、なんで、」

「まだこんなところに住んでるのか？連絡も１回もくれなかったじゃないか。」

阿部「…やめてっ、」

腕を掴まれそうになり、反射的に手を引っ込めた。

目線を合わせることが怖くて、思わず下を向いた。

「帰るぞ。」

阿部「…嫌だ、絶対帰らないっ、」

「なんでだ？親の言うことが聞けないのか？」

八乙女「嫌がってるじゃないですか、親なのに分からないんですか？」

「あなたには関係ありませんよね？親子同士の問題に、首を突っ込まないでもらえます？」

その間にも、体は震えて過呼吸になりかける。

八乙女「阿部ちゃんは、下がってて。」

震える体とは裏腹に、足がすくんで動けなかった。

宮館「…阿部、大丈夫か？」

舘さんは声をかけてくれたけど、それでも怖かった。

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