僕の秘密、キミのヒミツ。 (ページ19)

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薮「今日から治療始めるけど、大丈夫？」

中島「うん。でも、ここでダメって言ったらどうなるの？」

薮「それでもやるけどね。」

すぐに決断した、入院しての治療。

数ヶ月前のような余裕がない状況でも、安心していられるのは何故だろうか。

妙な安心感があった。

薮「これから仕事に行くけど、何かあったらナースコールで呼んでくれたらいいから。」

中島「うん、分かった。」

中島「…治らないって分かってるのに、なんで治療するんだろう。」

１人になった部屋でそう呟いた。

中島「…いっそのこと、もういなくなったっていいのにな。」

薮くんが聞いているとも知らずに。

ガラガラ

薮「…裕翔、起きてる？」

中島「うん、起きてるよ。」

薮くんは悲しげにこう言った。

薮「…もし、この治療の効果が無かったとしたら、もう２択しか残されていないんだ。」

あれから数ヶ月が過ぎ、今日は検査結果の報告がある日。

お昼ご飯を終えた後、薮くんから伝えられることになっている。

ガラガラ

薮「裕翔、起きてるかな？」

中島「うん、起きてるよ。」

薮くんの横には、伊野ちゃんもいるみたいだ。

薮「言いにくいんだけど、」

薮くんがそう言った瞬間に、続きは、結末は分かっていた、つもり。

薮「この治療で良くなることは、ほぼない。」

やっぱり。

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