【声優】マイペース声優と愉快な同居人～Ⅲ～ (ページ10)

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入野side

～病室～

入野「A…どう？調子は…」

A「…[ちょっと体が痛い]」

声が出せない事には既に気付いていたのか、用意周到にスケッチブックとマジックペンが用意されていた

入野「さっきお医者さんに話聞いてきたんだけど…声…戻らないかも…って」

何かを書こうとした手を止めて、絶望的な表情になったAは、スケッチブックにしみをいくつか作った

石田「…なんであの階段から落ちたの？今日の収録場所ならあの階段使わないし、他の声優に用があったとしてもあの階段の先では収録無かったハズだよね？」

神谷「…と言うことは…もしかしてお前」

A[山沢さんに呼び出された、でも呼び出された後の記憶が一部無い
直に戻るとは思うけど、一時的な記憶障害っぽい]

そう書かれたスケッチブックを見て合点がいった
石田さんも神谷さんも同じ事を考えてるはずだ

入野「山沢に突き落とされたんだ、あいつお嬢様だからってやっていいこととやっちゃいけないことくらいあるだろ!!」

神谷「今すぐ呼び出して尋問を…!!」

A[何かするつもりなら何もしないで
私がどうにかする、声が無くても出来ることあるし]

石田「それで気は晴れるの？」

A[晴れないとは思いますけど、何か手でも出そうもんなら絶交ですからね
神谷さんもです、シェアハウス出ていきますよ]

あの短時間で書き上げたとは思えない程、威圧感が半端無い文章だった
石田さんと神谷さんがちょっと怖がっていたのはこの先忘れられない光景だと思った