【声優】マイペース声優と愉快な同居人～Ⅲ～ (ページ4)

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voice104 ページ4

Aside

仕事帰りにこんなに面倒事に遭遇することがあっただろうか
最初に弟妹が不良に恐喝されてて、次に同級生による軽いかつあげの様なもの、その後も似たような事が続いた

弟妹が初と絢斗以外傷付いていないと言うことに一番安心した
かといってあの二人だけで終わるとも思えない
山沢さんは徹底的に、精神面からも身体面からも私を潰したいらしい

「…A…？」

今日何度目かとも思えるその呼び止め方に少しばかりのうざさを感じながら振り向いてみると、同級生ではない男の人が立っていた
私はこの人を知っている
会いたくて会いたくて、会えなかった人

A「お父…さん…？」

父「A!!」

私の本当の父親、東軸(とうじき)郁(かおる)がそこにいた
今まで遭遇した同級生から感じた裏を全く感じない、本当の偶然で出会えた私の父
その姿を見た瞬間、私は抱き着いていた

東軸「A…元気そうで良かった…」

A「会いたかった…」

この人はあの女から私を守ろうとしてくれた人
最後まであの女からの暴力を食い止めようとしてくれた、唯一の人

東軸「あの時は、本当にゴメンな」

A「いいよ…こうして会えただけでも…」

あの時と言うのは恐らくたらい回しにされた時の事
お父さんは私を引き取るつもりだったのに、あの女がその前にたらい回しに出した
それによって二度と会えないと思われていた

東軸「最近テレビでよく見るようになったな、まさか声優になるとは思っていなかったが頑張ってる姿が見れて嬉しい
それで…その……俺と一緒に住まないか？」

A「……え…？」