【ユーリ on ICE】銀盤の女王【ユーリ･プリセツキー】

episode38 ページ38

ユーリside



FPを滑った後、Aに感想を聞こうと思って探すと空きの控え室にいた
ミラによると母親が会いに来たらしい



控え室から丁度出てきたAの顔を見ると、不機嫌かつ暗い顔になっていた



ユーリ(カツ丼の母ちゃんと喧嘩でもしたのか？)



その時は軽い考えだった
俺はリンクでAの演技を観た
誰も凄く可笑しいAに気付かなかった、審査員でさえも



スタート、終わった瞬間、演技中、何を観ても可笑しいとしか言えなかった
俺は控え室に戻ったAを問い詰めた
顔色が悪いAに



A「今日……あの日だから…」



ユーリ「あ？あの日ってなんだよ」



A「女の子の日……だから集中出来ないの…」



ユーリ「…何か温かいもん、いるか？」



Aは嘘を吐いた、俺はそれに乗った
Aがこんなに言いにくそうな顔をするのは初めてだからだった



Aは嘘を吐く時必ず目を合わせない
本当の事を言うときは赤面してでも言うからそう思った



リリア「A、次ですよ」



A「…はい」



震えてる手、不安そうな表情、それがわかっていても何も出来ない俺が情けなかった



ユーリ「頑張れよ」



A「…うん」



俺は、Aを見送ることしか出来なかった

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