285...Ren side... ページ9
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『気をつけてね。』
「今日遅いかもしれんけど、終わったら連絡するから。」
『うん、今日も頑張って！』
頭にポンっと手を乗せれば
満足そうに微笑む少し幼い表情は何年経っても
何かを溶かすような心地いい感覚で
「はよ化粧しないと遅刻すんで。」
『やばい！じゃあね、いってらっしゃい！』
目を丸くして慌てる
コロコロ変わる表情にまた愛おしさが増す
駅までの道のり
いつもより人で溢れる光景に、遅延のアナウンス
「…まじか。」
朝礼間に合うんかな。
てかAに教えないと、絶対遅刻やん。
大人になってから追われるように終わってく日々の中で
青春のような時間は駆け抜けるように続いてて
画面を下から上へと滑る指がふと止まった
“いつめん”
最近、会わんくなった。
紫耀の結婚がなくなってから、なんか自然と
あぁ、こうやって大人になってくんやろな、って
なんて綺麗事。
みんなと会わない時間の長さがどこか現実から遠ざけてくれている
切ない気持ちの中に、どこか安心している俺もおって
いつから俺はこんな都合よく
“大人”を使う人間になったんやろ。
その答えに目を向けないように止まった指をまた進めて
遅延してるから、早めに家出たほうがええよ
鋭い空気の冷たさにホームに差し込む陽の暖かさ
自分の中に生まれる暗い部分と向き合っていくことも
言い方に考えるんやったら成長してるってことで
大人だと思っていた高校生の自分に
笑顔の理由になるなんて今思えば課すみたいに
今の俺よりよっぽど大人やったのか
若いから怖いもの知らずだっただけ分からへんけど
その言葉に嘘も後悔も一切なくて
今も昔もずっと変わってない
それに
確信がなくても自信がなくても
俺は結局Aとのこの日常しか思い描けへんのやから
ならこの幸せを守ってかなあかん。
その道を歩めることに幸せを噛み締めて
Aの一歩前で手を引けるように。
＿＿＿＿＿ブブッ
メッセージを知らせる振動
返信はや。
．
.
その画面の文字に
何かの始まりと
終わりと
俺の決意を試すかのように
．
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.
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【新着メッセージ：紫耀】
＿＿＿＿＿“電車がまいります、黄色い線の内側に…”
到着する電車へ
俺の足は進まんかった
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続く (更新停止中)
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らら(プロフ) - いつまでも待ちたいのでどうか完結までお願いします😢海羅さんのペースで構いませんので完結まで辿り着けるのをずっと待ってます！待ってる人がわたし以外にもたくさんいると思います！どうかこれが作品を書くモチベになってくださったら嬉しいです！ (2023年4月16日 21時) (
レス) id: 62e93500a9 (このIDを非表示/違反報告)
らら(プロフ) - もう何度も読み返しているのですが、やはりどれだけ読み返しても思うことは、この作品が占ツクで一番だ大好きな作品だなって思うことです！定期的に読み返しては泣いてしまうのですがとっても大好きな内容でお話流れで登場人物同士の関係だったりも理想以上で最高です！ (2023年4月16日 21時) (レス) @page1 id: 62e93500a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - 更新待ってました…！ありがとうございます！！お忙しいとは思いますが続き楽しみに待っています！ (2022年10月3日 1時) (レス) @page9 id: 2170580ec5 (このIDを非表示/違反報告)
U - 神作。最後は廉くん、紫耀くんどちらのパターンも書いて欲しいです。 (2022年10月1日 15時) (レス) id: 26f8418b7a (このIDを非表示/違反報告)
あいすくりーむ - 神作すぎません...？ (2022年8月26日 23時) (レス) @page1 id: 3accf3aa3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2022年8月23日 2時
