258…Yuta side… ページ9
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海人「分かった、ありがとう話してくれて。」
『ありがとう、海人。』
Aの視線はゆっくりと俺を捉えてジッと俺を見つめる
やめろよ、こっちが辛くなる
『勇太、ありがとうね。』
ごめんね、って
声に乗らないその言葉が届く
下唇をそっと噛んで微笑むその表情
何年間も抱き続けたその想いを諦めた時
強がりじゃなく強さに、覚悟に変わる
そんなAの姿を見るのがこんな辛いなんて
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「…ごめん。」
お互いの想いを知りながら伝えなかった時のこと
Aの中で溢れた気持ちに気付けなかったこと
あの海で、話してこいって背中を押さなかったこと
いつまでもAの中の紫耀を消せないこと
何に対してか、なんて分からなかった
けど込み上げてくるその三文字を言うことに精一杯で
そんな俺にAは首を横に振って優しく微笑む
俺の知ってるAは
自分の気持ちはいつだって後回し
周りに気を遣ってばっかりで
いつも笑顔なのは変わらない。
けどいつの間にか、しっかりと自分の足で立っていた
誰にも頼らず自分の歩む道を歩き始めてた
海人「俺、トイレ！」
『ん、出て右ね。』
海人「はーい！」
勢いよく立ち上がって扉を出て行った
海人の目には涙が浮かんでて
きっと海人にしか分からない想いってのがある
Aの前で泣かないこと。
海人なりに考えたんだと、そんな気がした
『ねぇ。』
静まる俺たち二人の間にいつものAの声が落ちる
『大丈夫なの？…岸くん。』
ビックリするほど自然に頬が緩んで
Aの眉間にシワが寄った
『は？何笑ってんの。』
「いや、だって。」
『なに。』
「お互いの心配するよなぁ、って。」
どっか似てる、Aと岸くんは。
ツンデレっていうか
普段はそんなの見せないくせに実はすごく心配してる、みたいな
Aは不満げにカップに口付ける
「俺も分かんないけど岸くん、あぁ見えて結構大人じゃん？」
『でも、ずーっと片想いの相手がいきなり結婚って…。』
「まぁね。」
何にも考えない、ただ純粋に友達を心配して
そんなAを見るのは多分高校生ぶりだった
俺たちはきっと何年間もずっと
それぞれの思いが行き交う中で複雑に生きてた
Aが新しい道を進み始めた今
俺たちもただ前を見て歩かなきゃいけないんだ
それが紫耀の守りたかった
Aの笑顔の意味なら、なおさら。
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masumi(プロフ) - 初めまして。更新まっていたので嬉しいです(*^-^*)もう一度最初から読み直してみようと思います。続きもどうぞよろしくお願いします＾＾ (2022年8月18日 10時) (
レス) @page46 id: 773d2c854b (このIDを非表示/違反報告)
夏希(プロフ) - 更新してくださって嬉しいです(涙)ありがとうございます！何年も待っててよかったです！前のお話読み返しながら楽しみにしてます。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page46 id: 0d02ac1782 (このIDを非表示/違反報告)
なおちゃん - はじめまして。作品読ませていただきました！毎晩子供達が寝てから読んでました。涙なしでは読めなくて、すごいストーリーに入り込んで夢中になりました。続き楽しみにしています！ (2021年5月17日 10時) (レス) id: 9300674cb4 (このIDを非表示/違反報告)
nagomi0625(プロフ) - 先日、この作品に出会い一気に読ませて頂きました。続きがとても気になります！この作品が完結するの楽しみにしています！更新待ってます。 (2021年2月10日 14時) (レス) id: 90023824b3 (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - とても夢中になって読み進めてしまいました！大変だと思いますが更新頑張ってください！楽しみに待っています (2020年8月8日 11時) (レス) id: 8a8ded8f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2018年2月26日 4時
