251…Yuta side… ページ2
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「お待たせ。」
わざわざ俺の仕事場の近くまでやってくるなんて
相当気にしてるんだな、って
岸「悪いな、休憩時間なのに。」
いつも破天荒な岸くんのその浮かない顔は思わず笑いそうになる
まぁ、その理由に見当がついているからなんだけど
「で、話って？」
みるみると歪んでいく表情がグッと俺に近づく
岸「……A、どう？」
「いや、それは廉が一番知ってるよね。」
岸「いや、聞けるわけないだろ…。」
「だよね、ごめん意地悪だった今のは。」
いつもは“おい！”なんて言うんだろうけど
今はそんな余裕ないみたいで
ちゃんと話聞いてあげなきゃだな。
「Aなら平気だよ。ビクともしてない。」
岸「えっ、まじ？それまじで言ってる？」
上目遣いで俺を伺うような顔
まぁ疑うよね、そりゃ。
「あの瞬間は俺ですら固まったけど
それは俺らと同じ立場での驚きなだけで
Aにとってそれ以上でも以下でもないと思う。」
岸「いやぁ、俺も黙っとくつもりだったんだけど…
酒入るとダメだな、やっぱ…。」
“結婚すんだってよ！…麗香と、紫耀がっ！”
岸くんの放った言葉に当然あの場は凍りついて
それと同時に思い知ったんだ、俺たちは。
俺たちは今でもAの中の紫耀を消せてない、って。
「はぁ〜…。」
岸「…やらかしたよな、俺。」
「いや、そうじゃなくてさ。」
どうしてなんだろう、Aは前に進んでるのに。
「俺たち、なんでこんな引きずってんだろ。
Aの足引っ張るみたいにさ。」
大学最後の夏の出来事が余計にそうさせた気がする
Aが涙を流した、その事実が何よりの証拠で
それが俺たちの中の紫耀を、いとも簡単に
友達からAの大切な人へと姿を変える
岸「俺全然分かんねんだよ、Aが。
あいつ大人すぎるから。」
紫耀への気持ちを心に閉まっては溢れ出して
また閉まっては押し込めて、また溢れて
廉を選んで気持ちに鍵をかけて
卒業と同時にその気持ちにさえお別れをした
俺が知っている何倍もの時間を一人で戦ってた
紫耀が帰ってきても廉を選んだのは紛れもなくAで
それでも本人に言われる言葉はどんなに強く戦い抜いても
呼び起こしてしまうんだ、あの想いを
Aにだって守りたいものがある。
感情のままに、なんてそんなこと
「俺も分かんないよ、何が正解かなんて。」
若い俺たちだったらできてたのかな
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masumi(プロフ) - 初めまして。更新まっていたので嬉しいです(*^-^*)もう一度最初から読み直してみようと思います。続きもどうぞよろしくお願いします＾＾ (2022年8月18日 10時) (
レス) @page46 id: 773d2c854b (このIDを非表示/違反報告)
夏希(プロフ) - 更新してくださって嬉しいです(涙)ありがとうございます！何年も待っててよかったです！前のお話読み返しながら楽しみにしてます。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page46 id: 0d02ac1782 (このIDを非表示/違反報告)
なおちゃん - はじめまして。作品読ませていただきました！毎晩子供達が寝てから読んでました。涙なしでは読めなくて、すごいストーリーに入り込んで夢中になりました。続き楽しみにしています！ (2021年5月17日 10時) (レス) id: 9300674cb4 (このIDを非表示/違反報告)
nagomi0625(プロフ) - 先日、この作品に出会い一気に読ませて頂きました。続きがとても気になります！この作品が完結するの楽しみにしています！更新待ってます。 (2021年2月10日 14時) (レス) id: 90023824b3 (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - とても夢中になって読み進めてしまいました！大変だと思いますが更新頑張ってください！楽しみに待っています (2020年8月8日 11時) (レス) id: 8a8ded8f17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2018年2月26日 4時
