267…Kaito side… ページ39
.
＿＿＿＿＿“紫耀だったら？”
あの日の廉の顔がずっと頭から離れなかった
紫耀たちの結婚が決まって
もういい加減前に進まなきゃ、って覚悟をAは伝えてくれた
結婚はなくなっちゃったけど
だからってAの中でまた紫耀が、とか
そんなことはないって、分かってる。
けど、廉から聞いた今のAの姿は
絶対何かを背負ってるに違いなくて
上司「�盒供漸身崟�かちゃんと確認しとけよ。」
「あっ、はい！大丈夫です！」
仕事中なのに、ダメだ、俺。
上司「お前、運良かったなぁ！北海道組は極寒だぞ。」
「いや、本当にありがたいっす。
新幹線なんて久々だし、なんかウキウキしちゃって。」
上司「こないだまで学生だっただけあるな、若い！」
「いやいや！」
初めての出張、素直に嬉しい
海外出張の廉に比べて俺は国内だけど。
ふと中学の頃のことを思い出した
確か、修学旅行の新幹線の中
“＿＿＿＿＿早く大人になりたい。”
いつもニコニコ笑うAが遠くを見つめてボソッと
何を考えてたかなんて分かんないけど
俺の頭には、あのAが焼き付いていた
東京駅を忙しそうに行き交う人々の波が妙に新鮮で
自分を追い越していくその波に取り残されるように
ひとりぼっちみたいな気がした
Aはなんで大人になりたかったんだろう
こんな大人、Aは想像してたのかな
みんなでバカやって笑い合ってたあったかい日常とは反対に
きっと今はみんな笑ってなくて
なんでこんな変わっちゃったんだろう。
俺はAに、みんなに
笑っててほしいのに。
上司「ホームいくか。」
「はい！」
帰ってきたら、大丈夫？ってAの話を聞いてあげよう
何かが起こる前に。
もう、後悔はしたくない。
それはずっと変わってない。
大事な親友なんだから。
ホームのずっと向こうの方までホームがあって
本当に修学旅行みたいだ
「これの、四号車です！」
なんでか分からないけど
乗り込む瞬間、何かに呼ばれる感覚がして
後ろを振り返る俺に
上司「どうした？」
俺は目を細めて
「いや、大丈夫っす！」
乗り込んだ新幹線の窓からもう一回
さっきの場所を覗き込んだ
ずっとずっと向こうのホームと、この新幹線の間
止まる車両は偶然なのか必然なのか一本もなくて
遠くに見える、見覚えのある姿
.
.
.
.
「………………紫耀。」
.
268…Yuta side…→←266…Kaito side…
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1776人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
masumi(プロフ) - 初めまして。更新まっていたので嬉しいです(*^-^*)もう一度最初から読み直してみようと思います。続きもどうぞよろしくお願いします＾＾ (2022年8月18日 10時) (
レス) @page46 id: 773d2c854b (このIDを非表示/違反報告)
夏希(プロフ) - 更新してくださって嬉しいです(涙)ありがとうございます！何年も待っててよかったです！前のお話読み返しながら楽しみにしてます。 (2022年8月18日 9時) (レス) @page46 id: 0d02ac1782 (このIDを非表示/違反報告)
なおちゃん - はじめまして。作品読ませていただきました！毎晩子供達が寝てから読んでました。涙なしでは読めなくて、すごいストーリーに入り込んで夢中になりました。続き楽しみにしています！ (2021年5月17日 10時) (レス) id: 9300674cb4 (このIDを非表示/違反報告)
nagomi0625(プロフ) - 先日、この作品に出会い一気に読ませて頂きました。続きがとても気になります！この作品が完結するの楽しみにしています！更新待ってます。 (2021年2月10日 14時) (レス) id: 90023824b3 (このIDを非表示/違反報告)
bloom(プロフ) - とても夢中になって読み進めてしまいました！大変だと思いますが更新頑張ってください！楽しみに待っています (2020年8月8日 11時) (レス) id: 8a8ded8f17 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海羅
| 作成日時：2018年2月26日 4時
