226…Kaito side… ページ26
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Aが泣いてるのなんて久しぶりに見た
その顔を見てすぐに腕を引いていった廉に
頼もしい彼氏らしさを感じたけど
やっぱり俺には心配で
『あ、海人おはよ。』
そんな気も知らず、いつもの笑顔
海人「おはよ。」
けど俺の顔を覗き込んで何かを思い出したように
眉毛を下げて申し訳なさそうに笑った
『ごめんね、こないだ。』
海人「もう平気？」
『うん、大丈夫。』
海人「ビックリした。
久しぶりだったから、Aが泣いてるの見るの。」
少し目を伏せてAの長い睫毛が影を落とした
『なんか、自分でもビックリしちゃった。
心配なんて何もないのに。』
海人「なんで泣いちゃったの？」
『思い出しちゃって。』
海人「ん？」
『大切な人が離れていく感覚。』
大切な、人。
『覚えてる？昔、体育祭の練習の時
紫耀遅れて来て、告られた、って言ったの。
あの時とちょっと似てた。
自分ではどうしようもできないことが起こる、みたいな。』
自然に出てくる“紫耀”の名前
あの頃の話をAから持ち出すなんてビックリした
けど、それってAが紫耀を好きな時の気持ちを
思い出したってこと？
『紫耀のこと好きになったとかそういうんじゃなくて。』
Aは俺の心を読むみたいにそう答える
『多分自分が思ってるよりも
廉が離れてくかもしれないことが怖かったの。
廉が離れてかないことなんて分かってる。
けど、あの頃がトラウマみたいになってて
身体は覚えてたんだよね、きっと。』
そう言うAの横顔はいつもより何倍も大人で
思わず見入ってしまいそうになる
「無意識のうちにそんなに廉が大きくなってたってこと？」
『多分そんな感じ。』
「それっていいことだよね。」
『そうだね。』
A、俺分かんないよ。
廉のことが大好きで
涙が無意識に出ちゃうほど必要としてて
紫耀が帰ってきたって
気持ちは揺れることなく廉に寄り添ってた
廉はAを絶対傷付けないし廉といるAはいつも笑顔で
いつだって幸せそうなのに
その横顔にふと思うんだ
Aの幸せはなんだろう、って。
A、これも無意識なのかな
ずっと前からそばで見てきた
幼馴染だから、かもしれないけど
強く綺麗に大人になったAに
見とれてしまうのはきっと
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どこか悲しく、儚いからなんだ
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Koko(プロフ) - 読んでいて止まらない！ドキドキしてワクワクしてヤバイくらいです。 (2019年2月27日 8時) (
レス) id: 6359401af5 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - MIZUHOさん» MIZUHOさん、いつもコメント頂きありがとうございます。最初から長いお付き合い、本当にありがたく、またとても心強いです。これからも心に響く作品になるよう頑張りますので、是非最後までよろしくお願い致します。またコメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 22時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
MIZUHO(プロフ) - こんばんは。この作品の初めから全て読ませていただいています。読んでいてすごく感情移入？出来るくらい心に響いていつも楽しみにしています。第6弾も楽しみにしています！ (2018年2月26日 20時) (レス) id: 2f213f30c3 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - しのさん» しのさん、コメントありがとうございます。長編作品が故の不安もある中とても嬉しいお言葉ありがとうございます。これからもお付き合いよろしくお願い致します。第6弾は本日中に公開予定です、混乱させてしまい申し訳ありません。また是非コメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 16時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - ぬれおかきさん» ぬれおかきさん、コメントありがとうございます。こちらの手違いで更新にミスがあり、本日中に第6弾の公開を予定しております。混乱させてしまい申し訳ありません。作品、楽しみにしていただいて嬉しいです、ありがとうございます。またコメントもお待ちしてますね。 (2018年2月26日 16時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年9月20日 15時
