116 ページ16
.
電話の後ボーッとしてたら
“でてこれる？”
って廉から連絡がきて
必要な物だけ持って出る支度をした
お母さんに見つかったらやばい。
もう夜だし、これから出かけるなんて言ったら止められる
どうしよう。
風磨「は、今から出かけんの？」
誰にも見つからずにそっと家を出ようと思ったのに。
『いや。』
風磨「いや、なにその嘘。もう母さん帰ってくるけど？」
出かけるな、って言わんばかりの顔
けど、無理、今日は家にいれるような気分じゃない
どうしよう、なんて言えば逃げれる？
どうしたら誤魔化せるかな
冷静に言い訳を考える頭を
早く家を出なきゃって焦りが追い込んだ
風磨「行け、早く。うまく言っといてあげる。」
『え？』
予想外の言葉に呆気にとられた
風磨「貸し
『ありがと。』
なにを察したのかすごく優しくて
やっぱりお兄ちゃんって、よく分かってるのかな、なんて。
急いで靴を履いて
お母さんに
ピロリン♪
まるで私が駅に着いたのを知ってるかのように届いたLINE
廉Aの最寄りついたんやけど、どこにおる?
廉、駅まで来てくれたんだ
改札行くね。
勢い余って呼び出して
しかも呼び出した理由は、ただ純粋に廉に会いたかったわけじゃない
私本当最低。
改札に向かう足は重くて、自分のズルさが醜くかった
部屋着のポケットに手を突っ込んだ廉が
改札横の壁にもたれかかって肩をすくめて立っていた
廉、寒そう。
きっと急いで出て来てくれたんだ
しばらく廉を眺めていると、パチリと合う視線
突っ立っている私の元へ小走りで駆け寄って
廉の綺麗な手が、ふわりと頭に乗った
廉「ごめんな、家まで行けへんくて。」
私が勝手に呼んだのに一言目が“ごめん”だなんて
私の胸がギュッと締め付けられた
『…廉、ごめんね。』
廉「謝らんでええよ。」
全てを察したような私を安心させる廉の笑顔
思わず廉にギュッと抱きついた
今は何よりここを早く離れたくて
お母さんに会っても嫌だし、私たちは電車に飛び乗った
廉「乗ったはええけど、どこ行く？」
『この辺、なんかあったかな？』
廉「居酒屋とか、入れへんしな。」
『…あ、廉の地元。』
廉「俺の地元なんもないで？」
今は廉に包まれていたくて
なんとなく、廉の育った街に行きたくなった
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 670人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
海羅(プロフ) - ShiRaSuさん» ShiRaSuさん、コメントどうもありがとうございます。お褒めのお言葉嬉しいです。とても励みになります！これからも頑張って更新していきますので読んでいただけたら嬉しいです。またコメントもお待ちしてますね。ありがとうございます。 (2017年6月18日 18時) (
レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
ShiRaSu - チョーゼツ面白いですね！ 続きが楽しみです！ (2017年6月17日 22時) (レス) id: dd3f7bf8fe (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - 樹里亜さん» 樹里亜さん、コメントありがとうございます。そのお言葉、すごく励まされます！とても嬉しいです。これからも頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。またコメントもお待ちしてますね。ありがとうございます。 (2017年6月12日 1時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
樹里亜(プロフ) - すごく話に入り込みやすい作品で、気に入ってます！更新頑張って下さい！ (2017年6月11日 19時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - みさとさん» ミスがありまして、コメントの方再度返信させていただきます、すみません。初めてのコメントで本当に本当に感激しました（泣）全ての言葉が励みになります。これからも更新していきますので是非読んでいただけたら嬉しいです。またコメントもお待ちしてますね。 (2017年5月29日 8時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：海羅
| 作成日時：2017年4月23日 22時
