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なんで
遠出してるわけでも珍しい場所に来てるわけでもない
だから偶然見かけてしまうのなんてありえないことじゃない
ただ、どうして楽しかった時間の後に
しかも一人になった瞬間
こうもタイミング良く現れるの？
私の方から目を逸らすことなんてできなくて
目を逸らさないんじゃない、心が勝手に求めてて
一歩もここを動けなかった
そう思ってたのも一瞬で
私の視界にスルッと入ってくる見覚えのある女の子
なんだ、桃香ちゃんと一緒か。
会って話をするわけでも、挨拶さえ交わせるかも分からないのに
何かに期待を抱いてバカみたい。
紫耀の二、三歩後ろを歩く桃香ちゃん
やばい、こっちに渡ってきちゃう。
そんな焦りも桃香ちゃんに腕を引かれて止まった紫耀の足のおかげですぐ消えていった
絡み合う紫耀と桃香ちゃんの視線
桃香ちゃんの口元が何かをつぶやく
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見ちゃいけないものを見た
二人の唇が離れると同時に私は駅へと足を進めた
今まで一歩も動けなかったのに
見たくないものを見るとこんなにも簡単に動けるなんて
頭じゃない、心が私を動かしていた
真っ直ぐ駅までの道のりをただひたすら歩き続けた
電車に揺られて
最寄りの駅で降りて
いつもより狭い歩幅で家へと向かう
さっきからずっと頭の中でリピートされるあの光景
あんな人通りの多い場所でキスなんて
あの時遠慮なんてしないで廉に送ってもらってれば
あの時電車の時間を調べずに駅に向かってれば
あの時あの横断歩道を使わなければ
そんなこと考えたって、きっと私は
好きな人が誰かとキスをする見たくない光景を見る運命なんだ
どうして今日なの？
廉と楽しく一日を過ごして、廉にたくさんドキドキして
キスだって…
自分の部屋のベッドに倒れ込んで丸くなる
もう何も考えたくない。
ピロリロリン♪
電話なんで出る気分じゃない
けど、着信音は鳴り止まなくて手を伸ばすと
『…もしもし。』
廉「あ、出た。ちゃんと家着けたん？
連絡ないから大丈夫なんかなって思っ…」
『………れ、ん…。』
廉の声を聞くと締め付けられるように苦しくなる胸
廉「ん？どうしたん？」
『………。』
廉「A？」
.
.
『………会いたい。』
聞こえてなかったら、誤魔化せばいい
ううん、なんでもない、って。
けど
廉「迎えに行く、待ってて。」
分かってる、私はずるい
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海羅(プロフ) - ShiRaSuさん» ShiRaSuさん、コメントどうもありがとうございます。お褒めのお言葉嬉しいです。とても励みになります！これからも頑張って更新していきますので読んでいただけたら嬉しいです。またコメントもお待ちしてますね。ありがとうございます。 (2017年6月18日 18時) (
レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
ShiRaSu - チョーゼツ面白いですね！ 続きが楽しみです！ (2017年6月17日 22時) (レス) id: dd3f7bf8fe (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - 樹里亜さん» 樹里亜さん、コメントありがとうございます。そのお言葉、すごく励まされます！とても嬉しいです。これからも頑張りますので、今後ともよろしくお願いいたします。またコメントもお待ちしてますね。ありがとうございます。 (2017年6月12日 1時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
樹里亜(プロフ) - すごく話に入り込みやすい作品で、気に入ってます！更新頑張って下さい！ (2017年6月11日 19時) (レス) id: cc2f6a9c78 (このIDを非表示/違反報告)
海羅(プロフ) - みさとさん» ミスがありまして、コメントの方再度返信させていただきます、すみません。初めてのコメントで本当に本当に感激しました（泣）全ての言葉が励みになります。これからも更新していきますので是非読んでいただけたら嬉しいです。またコメントもお待ちしてますね。 (2017年5月29日 8時) (レス) id: 3f3c8daa7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年4月23日 22時
