青色〜after story ✴︎ (ページ39)

今日:32 hit、昨日:99 hit、合計:116,333 hit

◉ ページ39

.

仕事から帰ると、最近はトイレに一直線。

「はぁ…。うっ、」

何も食べてないのに何か胃から溢れ出て来るような感じ。

クセがついちゃって、水を飲んでも戻しちゃう。
回数多すぎて血のようなものが出た時はかなりビビった。

渡「おかえり、お疲れ」

「ん、ただいま。ご飯食べた？」

渡「食べた。何か食べれる？ミカン冷蔵庫あるよ」

「あ、みかん食べようかなー…、あれ、今日どっか行ってたの？」

渡「あー、ふっかんち」

「これ買ってきたの？」

キッチンの棚に置いてある、
葉酸って書いたサプリやノンカフェインの文字が書いてあるもの。

…翔太くんがこんな気の利いたことする？

渡「帰る時にもらった」

「…え？ふっかさんから？」

渡「佐々木が持ってけって」

「…妊娠したこと言ったの？」

渡「言ってない」

「…言ってないけど悟られたってことか」

ま、ふっかさんじゃなくて優菜が直接渡したってことはふっかさんは気付いてないってことかな？

優菜には予想外なところで知られちゃったか。

「私のつわりが落ち着いたらふっかさんち行こうね
職場に報告するにしてもふっかさんにまず知ってもらわないとだし」

渡「うん、無理すんなよ」

「ありがとう」

仕事中はなんとか体調悪いのを隠しつつ、
胃から込み上げてくるものを止めることはできないから
トイレの回数が増えた。

事務仕事してるときは、何かしら口にいれてる。

ただ、やっぱり不思議に思う男はいるようで。

ひとりでホテル内の自販機コーナーに来た私。

に、ついてきた目黒蓮。

目「Aさあ……」

「わ、なに？」

あたりを見回して、誰もいないのを確認すると

目「…違ったらごめん、もしかして妊娠してる？」

「ﾌﾞｯ」 ※水を吹き出しそうになった音

目「無神経だね、ごめん。トイレの回数多いし、なんか常に食ってるしかと思えば顔色悪いし」

「…時期が来たら言うから、誰にも言わないで」

目「わかった。…しんどかったら俺にも言って？
まだふっかさんとか知らないの？」

「うん、翔太くん以外誰にも言ってないから」

目「わかった。倒れる前に言えよ？」

「うん、ありがとう」

やっぱり、人のことをよく見てるこの人は
いつまでもどこまでも優しい。