青色〜after story ✴︎ (ページ37)

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「あっっ」

渡「…なにこれ」

私が拾うよりも反応が早くて拾われたそれは
まさに今やってた検査薬。

「あ、あの…翔太くん、」

渡「…え、これ、って……妊娠…したの？」

「100%じゃないから分かんないけど…たぶん、」

渡「マジで！？うわあ、やったな…！」

「ごめん、朝から…どうしても生理がこないのが気になっちゃって…」

低血圧の翔太くんは朝からこんなに声出すこともなかったのに、めちゃくちゃ喜んでくれてるのが伝わる。

渡「俺にも言ってよ、ごめん、気付かなくて。」

「…翔太くん、そんなに優しかった？」

渡「ずっと優しいだろ！笑
えっ、てかどうする？このあと何すんの？仕事休む？」

「休まないよ！笑、そんなに焦んないで、次の休みに病院行ってくるから」

渡「体は？大丈夫？俺も行きたいけど休み被ってないしな…」

「ひとりで行けるから笑、あのときのふっかさんみたいだよ？落ち着いて笑」

渡「もうお前自転車禁止な！！
できるだけ俺送り迎えするし、あ、俺が歩いていけばいいか。あ、でも運転危ないしな」

ひとりでトイレの前で盛り上がってる翔太くんを置いて笑、いつも通り朝ごはんを作る。

少し気持ちが晴れた気がした。ずっと不安だった心のモヤモヤもなくなったし。

そもそも私かなりのペーパードライバーだから車は無理かも。笑

それから休みの日に病院に行って、ちゃんと診断を受けた。

役所で母子手帳ももらった。

「うわあ、母子手帳…！翔太くん帰ってきたら見せよっと」

優菜がそこまでつわりが酷くなかったから
私も大丈夫かな〜と余裕ぶってたら、全然ダメだった。

食べないのもダメだし、食べるのもダメだし。
揚げ物とご飯が炊けたにおいもダメ。

仕事中は、気を張ってるからか、休憩中とか事務仕事してるとき以外はそこまで辛くなかった。

ただ、仕事から帰ってきたらもう何も出来ないくらい
体調は最悪。

渡「A、大丈夫…じゃないよね」

「ごめん…適当にご飯、食べて…」

渡「俺は大丈夫だけど、さすがにAもお腹になんかいれないと。」

「何もいらない」

渡「Aが何も食べなかったら赤ちゃんに栄養いかないから」

「…わかってるよ、あとで食べるから先食べてて」

渡「ん、わかった」

まだまだ不安定だし、まだみんなには言えないこのしんどさがまたさらに辛いし、
翔太くんにも当たってしまうのも自分が嫌になっちゃう。