第8話 ページ9
「つきましたよ、千桜さん。ここが椚ヶ丘中学校です」
目の前にそびえる巨大な校舎。
さすが、トップと称される進学校だ。
「お話では、本校舎とE組の教室は別だということですが……？」
「ええ、この山の頂上です」
烏間さんの指差す先には、これまた大きな山。
随分とひどい待遇だ。
これでは、E組に落ちた生徒が本校舎に戻れないのも頷ける。
「随分ひどい待遇なんですね、E組は」
「ええ、まあ……超生物はE組教室です。行きましょう」
山の入口へ向かう烏間さんを見て、自分も足を踏み出した。
中はまさに山。
急な勾配が続く山道だ。
これから毎日ここを登らなくてはならないとは……
内心ため息をついた。
「つきましたよ」
山に入ってしばらく。
急に視界が開けたかと思うと、前には古そうな木造校舎が現れた。
「この中に、超生物が？」
「はい。イリーナも中に」
さっさと歩いていく烏間さんのあとについて、校舎内へ入る。
中は小さな校舎だ。
教室や職員室が少しあるだけで、他は何も無い。
職員室の扉を開ける烏間さんの奥に、黄色い物体が見えた。
「にゅやッ！？烏間先生、彼女はッ！」
烏間さんのあとについて中へ入ると、黄色いタコがいた。
「ああ、お前にも話しただろう。新しくここで教師をする、公安の……」
「千桜柚希です。偽名ですが、職業柄故、お許しください」
「話は聞いていますよ、千桜さん。なんでも、とても優秀な捜査官の方だとか」
「いえ、私より優秀な人間は他にもいますよ」
黄色いタコは触手をくねくねと動かしながら、ヌルフフフと不思議な笑い声をあげる。
「ここに来たからには、あなたも私の暗殺をするのでしょうね……？」
「ええ、もちろんです。日本に安全をもたらすのが私たちの使命ですから」
口角を上げて話す。
すると、隣にいた随分胸の大きな女性が前に出た。
「あなたが公安の？へぇ……ちょっと色気が足りないんじゃない？」
「……失礼ですね、私もハニートラップの経験ならありますよ、イリーナさん」
昔のことだが、経験があるのは確かだ。
悪い男は随分簡単に女に釣られるようで、すぐに逮捕したけれども……
「……気に入ったわ！」
「は？」
突然イリーナさんが手をパンッと叩き、私のことを抱きしめた。
「ちょっとあなた、柚希って言った？」
「ええ、はい」
「ぜひイリーナって呼んで！敬語もなしよ！」
……名前に何か因縁があるのだろうか。
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恋(レン) - めちゃおも！ガンバって!сражатесь! (2018年6月30日 23時) (
レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 朝霧さん» ありがとうございます！ほぼ私が読みたいがために書き始めたようなものなのですが、そう言っていただけると嬉しいです！これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします！ (2018年1月6日 8時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - めっちゃ面白いです！！どっちの話も好きなので、こういった小説が読めて凄く嬉しいです！これからも更新頑張って下さい！楽しみにしてます！ (2018年1月6日 0時) (レス) id: 245aacf69a (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます！更新、ゆっくりかもしれませんが頑張っていくので、応援よろしくお願いします！ (2017年12月24日 11時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね！これからも更新頑張ってください！応援してます！ (2017年12月23日 19時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいんぼぉー | 作成日時：2017年12月23日 14時
