第23話 ページ24
「鍵は開いたわ、簡単なタイプね。それほど重要な倉庫ではないみたい」
「ああ、こっちの倉庫もだ。風見、第2倉庫の様子を見て来い。今井は第4倉庫を。取引自体は第3倉庫で行われるが、念のため両側の倉庫でも捜査官を待機させておけ」
「はい!」
降谷の指示に従って、風見と今井がそれぞれ左右へ駆けていく。
車を飛ばして笹桶にきた私は、降谷とともに第3倉庫の扉の前に立っていた。
「もちろん中に人がいる気配はなし、倉庫内の監視カメラは事前にハッキング済み。一部死角はあるけれど、さほど問題になる広さじゃないわ」
「ああ……乗り込むぞ」
「ええ」
第2、第4倉庫の前では、風見と今井がそれぞれの部下を引き連れて、倉庫内へ入っていくところだった。
手袋をはめた手で、拳銃を片手に降谷が倉庫への扉を開く。
ギィッと嫌な音を立ててゆっくりと扉が開くが、中にはどうやら倉庫の借主の荷物しかないようだった。
「倉庫の借主は、館山建設と言ったか?」
「ええ。大山組との繋がりも疑われていたところだから、きっと館山社長がこの倉庫を取引の場所として貸し出したんでしょうね。明日、取引の現場の差し押さえと同時に会社へ直接行く予定よ」
「わかった。今は誰もいないな、盗聴器やカメラの類もなし。監視カメラの死角になっているところにはカメラを設置しろ」
「盗聴器もよろしくね。あとは当日の潜入ポイントだけど……」
「中にあるのはもっぱら木材ばかりか。予想より倉庫内が開けているな、どうする?」
内部を見渡してみても、想像以上に明るい上に遮蔽物が少なく、周囲の確認が容易にできてしまう。
これでは、内部に隠れるのは難しそうだ。
「これだけ少ないとなると、少し木材を移動してもすぐにバレそうね」
考え込む私と降谷を他所に、耳に付けている通信機に通信が入る。
相手は、第2倉庫と第4倉庫へ向かった風見と今井だった。
「杠葉さん、降谷さん。第2倉庫、第4倉庫、共に異常ありません。危険物の類も特に発見されませんでした」
「ご苦労。内部に隠れられそうな荷物は置かれているか?」
「はい、こちらは建築用と思われる機械なども多いので、隠れることは容易です」
「となると、この倉庫だけは見渡しやすいように木材だけを置いているようだな」
「そうそう隠れ場所を提供してくれるような奴らではないって訳ね」
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←第22話
542人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
恋(レン) - めちゃおも!ガンバって!сражатесь! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 朝霧さん» ありがとうございます!ほぼ私が読みたいがために書き始めたようなものなのですが、そう言っていただけると嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2018年1月6日 8時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - めっちゃ面白いです!!どっちの話も好きなので、こういった小説が読めて凄く嬉しいです!これからも更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年1月6日 0時) (レス) id: 245aacf69a (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!更新、ゆっくりかもしれませんが頑張っていくので、応援よろしくお願いします! (2017年12月24日 11時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月23日 19時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れいんぼぉー | 作成日時:2017年12月23日 14時