第14話 ページ15
「これなら、生徒たちの訓練はほとんど任せても問題なさそうだな……」
烏間さんは訓練予定を見ながら呟いた。
「……そういえば、烏間さん」
「なんですか?」
「無理して敬語にしなくても大丈夫ですよ。戦闘中、敬語外れてましたから」
軽く笑って言うと、彼は驚いたように少しだけ目を見開いた。
やはり敬語が外れていたのは無意識だったようだ。
「なら、お言葉に甘えて」
「お構いなく。むしろ、敬語で話されるとちょっと違和感が……」
あはは、と苦笑いをすると、烏間さんは不思議そうに首を傾げた。
しかしすぐに生徒達の方へ向き直り、わいわいと騒いでいたところへ一喝。
「それでは、今後の女子の訓練は彼女に行ってもらう。状況によっては男子の訓練も頼むかもしれんが、よろしくな」
「はい、任せてください」
軽く頷き、生徒たちにテキパキと指示を出す烏間さん。
まさに鬼教官……少しだけ降谷を思い出して身震いした。
「柚希先生、私たちは何をすればいいですか?」
みんなのリーダー的存在らしい、片岡さんが挙手をして質問してきた。
さすが、学級委員をしているだけあってしっかりしている。
「ええっと、そうね……まず、みんなの実力がわからないから、とりあえずいつも通り訓練してみてくれる?今までの訓練方式を変えても悪いでしょう」
「はい!」
元気に返事をして、他の生徒達に指示を出す。
彼女のようなリーダーがいて、きっとまとまりのあるクラスなんだろう。
みんなもすぐに片岡さんの指示通りに行動を始めた。
「さすが日本警察から派遣されるだけあって、随分優秀な方ですね」
「ありがとうございます、殺せんせー」
再びタコが近くに来て、隣で一緒に生徒たちが暗殺準備をする様子を眺め始めた。
「ですが、その程度ではまだまだ私を殺れませんねぇ」
黄色だった皮膚に、緑のしま模様が現れる。
「私の本来の仕事は、あなたの監視ですから。暗殺はほぼついでです。ですが、私もまだまだ仕掛けますよ。ここでいろいろ学べば、警察官としても成長できる気がしますから」
「ヌルフフフ、殺れるといいですねぇ……」
タコは気味の悪い笑い声をあげる。
そこで生徒たちの準備は終わったのか、全員が銃を構えた。
「生徒たちの今までの訓練の成果、じっくり見てあげてください。きっと、中学生がここまでやるのかと驚きますよ」
「それは楽しみですね」
最後まで笑いながら、タコはヌルヌルと校舎へ戻って行った。
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恋(レン) - めちゃおも!ガンバって!сражатесь! (2018年6月30日 23時) (レス) id: 78c191449c (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 朝霧さん» ありがとうございます!ほぼ私が読みたいがために書き始めたようなものなのですが、そう言っていただけると嬉しいです!これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします! (2018年1月6日 8時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
朝霧 - めっちゃ面白いです!!どっちの話も好きなので、こういった小説が読めて凄く嬉しいです!これからも更新頑張って下さい!楽しみにしてます! (2018年1月6日 0時) (レス) id: 245aacf69a (このIDを非表示/違反報告)
れいんぼぉー(プロフ) - 銀狼さん» ありがとうございます!更新、ゆっくりかもしれませんが頑張っていくので、応援よろしくお願いします! (2017年12月24日 11時) (レス) id: 6eca2fb2bd (このIDを非表示/違反報告)
銀狼(プロフ) - とても素晴らしい作品ですね!これからも更新頑張ってください!応援してます! (2017年12月23日 19時) (レス) id: a78c622004 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れいんぼぉー | 作成日時:2017年12月23日 14時