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butler.42 ページ42

〜汐里side〜




「殺し、たの…?」



『だから、アレが自分から死んだんだって』




こんな話を、心底楽しそうにするこいつ。



自分の中で、警報音が強く鳴り響く。



…こいつは、人間のクズだ。




『いいねぇ、その反抗的な目。


…恐怖で、めちゃくちゃにしたくなる』




サバイバルナイフを片手に、1歩ずつ近付いてくる。




「…く、るな…」



『君に拒否権なんか、ある訳ないじゃん』




また塞がれる唇。



侵入してくる舌を今度こそ噛み切ろうとしたとき、首筋にナイフを押し付けられた。




「───っ、ふ、ぅ…」




恐怖、嫌悪感、悔しさ、やるせなさ。



色んな気持ちが綯い交ぜになって、意図せず涙が零れる。




『あーあ、泣いちゃった(笑)』




男の言葉にも、反応できない。



…したくない。



もう、何も考えたくない。



抵抗する気も失せて、服のボタンに手をかける感覚に目を閉じた時。




バァンッ!!!!



「…!?」




倉庫の扉が、破壊される音が響いた。



その一瞬、男が離れた隙に頭突きをかました。




「っ…」




首筋に当てられていたナイフが、肩を掠めたけど気にしない。



上から人が降ってきて、男を完全に吹っ飛ばして。



全て、一瞬の出来事だった。



降ってきたのが崇裕だって気付いた時には、手足の拘束を外され、崇裕に抱きしめられていた。




崇「…遅れてごめん」



「大丈夫。来てくれて、ありがとう」




体を離した崇裕が、私の顔を見て眉を顰めた。




崇「…口、切れてる」



「…っ、平気…」




無理やりされた事を、崇裕にバレたくなくて俯いた。



…のに、頬を掴まれて上を向かされた。




崇「…消毒、さしてや」



「…へっ?」




意味が分からずにぽかんとしていると。



さっきまでの記憶を上書きするように、崇裕の唇が私のそれを包み込んだ。

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なななお - 今更!?って感じなんですが今日から読ませていただきます(^^) (2021年1月19日 17時) (レス) id: 19a2f5ad1d (このIDを非表示/違反報告)
mhygkj1101(プロフ) - 一波さん» 楽しみにしてて下さい!(笑) (2018年5月9日 23時) (レス) id: d0b6e37a2e (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - これからも楽しみにしてます!! (2018年5月9日 23時) (レス) id: 42ea6c0922 (このIDを非表示/違反報告)
mhygkj1101(プロフ) - 一波さん» 一波さんのツボにぴったりはまって良かったです! (2018年5月9日 23時) (レス) id: d0b6e37a2e (このIDを非表示/違反報告)
一波(プロフ) - そうなんですね!私もなんです!だから、作者さんの書くはまちゃんはこんなに私のドストライクなんですね! (2018年5月9日 23時) (レス) id: 42ea6c0922 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:DAJTRTN-# | 作成日時:2017年4月16日 19時

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