うちの母、再婚しました

butler.27 ページ27

『春の訪れと共に、この学校も新学期を迎え─…』




照史との話を保留にしたまま、2年に進級した。



あんだけ注目を浴びてた私の暴力事件も、さすがに関心もなくなっていた。




望「…眠いねんけど」



「主の隣で寝る執事がどこにいんのよ」




今でも、"主"とか"執事"っていう上下関係は好きになれないけど、みんなの切り替えるスイッチにはしている。




望「…あ、そーいえばさぁ」



『─以上で校長先生の話を終わります。生徒は退場してください』



「ん、何て？」



望「あー、後で話すわ」




とか言うけど、クラス一緒なんだし廊下でも話せるじゃん。




担「明日から、早速体育祭の練習だからなー」



「うわ、最悪…」



望「めんどくさー(笑)」




担任の思いがけない言葉に、クラス全体からもブーイングが起こる。




担「はい、起立ー。明日からちゃんと来いよー」




そんなブーイングをものともせず、担任は平然と教室を出ていった。




「…帰ろっか(笑)」



望「そやな(笑)しげに連絡するわ」




予定よりも早い解散に、クラス全体が浮き足立っていた。




大「早かったなー。また何か起こったんかと思ったわ(笑)」



望「縁起でもないこと言わんといてや(笑)」




運転席と助手席で交わされる会話を聞き流しながら、何か引っ掛かりを感じていた。



何か忘れてる気が──




「っあぁ！」



望「何や、びっくりするわ！」



大「事故りたくなかったら、ビビらすなよ〜」



「望、学校でいいかけてたの、何？」




始業式での望の言葉を、ようやく思い出した。




望「あ、あれか。…もう家着くし、見た方が早いと思うで」




…見るって、何を？

butler.28→←butler.26

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す