参拾捌 ページ38
「これはここに置いてもいいかな」
ま、いっか！と勝手に冨岡の家の好きな場所に私物を置いていく。
私達は先日届けを出して夫婦になった。
許しを請う親もなければ、近しい親戚もいない私達は、
冨岡の家には本当に必要最低限のものしかなくて、かくいう私も殆ど荷物などなく、自分一人で二往復で終わってしまった。
自信のものを運び込んでも殺風景には変わらない冨岡の家に、ゴロンと寝転ぶ。
カァー
鴉が一羽、荷物を運び込むために開け放っていた扉に佇んでいる。
私はだらしなく寝転がっていた身体を起こす。
(誰かの祝いの手紙か伝言かしら…)
「煉獄杏寿郎 上弦ノ参トノ戦闘ニヨリ 死亡」
ドクン
心臓が跳ね上がった。
「う…嘘…」
"む！君は噂の
"噂ってなんですか…。"
"君はもう十年近く鬼殺隊の隊士だと聞いたんだ！先輩だね！"
"やめてください、たまたま入隊が早かっただけです。歳も煉獄さんの方が一つ上ですから……さん付けなんて本当に辞めてください"
"では親しみと敬意を込めて、Aくんと呼ぶことにしよう！"
"その子は…？"
"ああ！甘露寺蜜璃！俺の継子だ！Aくんと同じ歳のはずだから、仲良くしてやってくれ！"
煉獄との出来事を思い出す。
実感が湧かない。本当に煉獄は死んでしまったのか。
「蜜璃……蜜璃…っ！」
「
飛び出した私を追いかけてきた鴉にそう言えば、私の前を飛び始める。
しばらくすると、時雨はある団子屋の上を旋回し始めた。私も好きな団子屋だ。
少し上がる息を整えつつ、団子屋の傘のついた椅子に腰掛ける蜜璃に歩み寄る。
「蜜璃…」
「…Aちゃん…っ！」
蜜璃が私の胸に飛び込んでくる。蜜璃の肩は震えていて、私は黙って蜜璃の背中を撫でた。
日が昇って澄んだ青空、こんなに綺麗なのに、
煉獄杏寿郎はもうこの世にいない。
嘘であって欲しかった。
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もちごめ(プロフ) - とても面白いです！１つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい？」ではなく「〜だな！〜だろう！」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…！！ (2020年11月21日 9時) (
レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません！煉獄さんは（名前）少女／少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません！いつも楽しみにしてます！ (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません！頑張ります！ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね？これからがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あめ | 作成日時：2019年8月18日 9時
