参拾弐 ページ32
「それは私の台詞です！私はあなたが命を懸けているなんて聞いてません！なにも聞かされていなかった私の気持ちがわかりますか！…どうして…なにも言って下さらなかったのですか…」
私は冨岡の胸を両手で交互に叩く。
何故だか自然に涙が溢れてきて、叩く力はだんだん弱くなる。
「鬼殺隊員はいつ命を落とすかわからない…そんなことはわかってます。でも、それでも、あなたが他人の為に命を懸けることを、私は恋人として止めることもさせていただけないんですか…！」
叩くのをやめていた手を、再び振り上げる。
パシ
見事に掴まれる手。
冨岡の顔を見上げれば、私がいつかの鬼に刺された時のような顔をしている。
「そんな顔…ずるいです…」
「すまない…」
「義勇さんは…ずるい…！」
「すまない…A」
冨岡は掴んだ手とは反対の手で、私の後頭部を引き寄せると、そのまま深く、深く口付けた。
漏れる吐息は熱く、掴まれた手から伝わる体温もとても熱く感じた。
「抱くぞ、A」
吐息がかかる距離でそう囁かれる。
本当にずるい人だ。
あなたが切腹する時は、私がその
そんなことを考えながら、私は冨岡義勇の全てを受け入れた。
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目を開くと、冨岡義勇の端正な顔が近くにあって、なにも身につけてはいないが、情事を始めた際はなかった一組の布団の上で寝ていて、これまた一枚の毛布を2人で分け合うように掛けられていた。
恐らく彼が、私が意識を飛ばしてしまった後に敷いてくれたのだろう。
「…A」
モゾモゾと動いてしまったから起こしてしまったらしい。
「なんですか？…腰が痛いです…」
「手加減はしたつもりだ」
「全然できてません」
私の言葉に、彼は少しだけ笑った。
すぐに私を腕の中に閉じ込めて、「好きだ」と一言囁くと、眠りに落ちていった。
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大正コソコソ噂噺
(Aさんは冨岡さんとの関係を柱の方々は知らないと思われてるらしいですよ)
(へ？！あんなにわかりやすいのに、しのぶちゃんがよく冷ややかな視線をおくってるよね)
(温かい と言っていただきたいです。ね？甘露寺さん)
(あ、温かいだったね…！)
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もちごめ(プロフ) - とても面白いです！１つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい？」ではなく「〜だな！〜だろう！」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…！！ (2020年11月21日 9時) (
レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです！頑張ります！ (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません！煉獄さんは（名前）少女／少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません！いつも楽しみにしてます！ (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません！頑張ります！ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね？これからがすごく楽しみです！更新頑張ってください！ (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あめ | 作成日時：2019年8月18日 9時
