拾漆 ページ17
「可哀想ですが…サヨナラです」
逃げ惑う鬼の首を斬る。
はじめこそ襲ってきたものの、逃げ惑い、最後は許しを請うていた鬼だ。
涙を流しながら塵となって消えていく鬼に手を合わす。
「さぁ、そろそろ夜も開けます。滞在する藤の家の近くまで移動いたしましょうか…」
その言葉と共に
「案内、お願いいたします」
それを聞くと
後を追いながらゆっくりと山道を歩んでいると、怒鳴りあうような声が聞こえてきた。
明らかに人間同士のいざこざだということがわかったので無視してそのまま歩を進めようとした。
「お前は鬼殺隊員じゃないのか!!!」
この台詞を聞いて、2秒ほど立ち止まる。
小さく息を吐き出して、向かう先とは少し違う、声のする方に歩み始める。
「下の者の指導も…たまにはしなければいけませんよね…」
着いてみると、あらあら、
「隊員同士でやり合うのがダメなんだ!素手だからいいとかじゃない!!」
そうド正論を叫ぶ少年に向かって猪頭の少年は回し蹴りを繰り出そうとした。
「ハァ……なにをなさってるんですか?」
そう言いながら、私は彼らの間に静かに降り立つ。どうやらその場にいる全員が私の存在に気づいていなかったようで身体をビクつかせたり目を見開いたりしている。
回し蹴りを右手で掴んで、左手でもう一方の少年の顔の前に手のひらを突き出し静止の合図をだす。
「隊員同士の鍛錬以外での戦闘は隊律違反です。処罰しますよ…?」
猪少年に視線を向けながらそう微笑む。
しかし猪少年は「なんだオマエ!」と足を抜こうと暴れる。
「オマエ…?私は貴方の上司にあたるのですが…?」
「そんなこった知らねえよ!離せ!邪魔するな!」
「威勢がいいですね。少し静かにしてください」
掴んでいた足を思い切り上空にぶん投げる。
同時に地についていたもう片方の足を蹴り払うと、猪少年の身体は上下逆さまになり宙を舞う。
間髪入れずに、体制を低くして猪少年の肩甲骨あたりに側頭蹴りを入れると、吹っ飛んで動かなくなった。
「あ、貴方は…!」
「お久しぶりですね」
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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時