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拾陸 ページ16

カチ、カチと箸が茶碗にぶつかる音が響く。
室内に男女が2人いるにも関わらず、会話はない。



思わずため息をつきそうになるも、それは米と一緒に飲み込んだ。



"冨岡さん……夕餉(ゆうげ)を一緒に…食べませんか"



あの時、なぜこの言葉が出てきたのか全くもって自分でも理解不能だ。
しかし目の前の無表情男、冨岡義勇は少し唖然としたあと、「そうしよう」と呟いて共に歩みを進め、現在目の前で私が作った料理を頬張っている。




「冨岡さん…」

「…なんだ」

「私はあなたを見ると、たまに胸が苦しくなります。痛くなることもあります。顔に熱がたまることも…あります」



冨岡は口を挟むことなく、だが箸を止めて私の話を聞いている。



「今日、他の柱達にそのことをからかわれて…それでカッとなって怒ってたのです…」

「そうか…」


冨岡さんは箸を動かし始める。
私の話はここで終わると思ったのだろう。




「蜜璃が言っていました…。胸がギュっとしたりするのは…"恋"だと……私は、冨岡さんのことを……好いているのかもしれません…」



静まり返る部屋。
冨岡はなにも声を発さない。

所謂(いわゆる)、告白というものをしているはずなのになにも言わない。



堪らなくなって顔を上げる。
目の前の彼は目を見開き、茶碗を持ったまま微動だにしない。


「と…冨岡さん…?!」


彼の目の前で手を左右に振って意識を確認する。
その瞬間、冨岡は急に茶碗と箸を善の上に置いて立ち上がると、ゆっくりと私の方に歩み寄ってきて、すぐ隣にしゃがみこむ。




重なる視線。
重ねられる手。





「好きだ………A」



冨岡義勇は無表情にそう囁いた。
微笑むでも、照れるでもなく、無表情に。

なんだかそれがおかしくて、思わずフッと笑みがこぼれる。






「私も…私も好きです。……義勇さん…」

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もちごめ(プロフ) - とても面白いです!1つ気になったのが、煉獄さんは柱の人たちを呼び捨てで呼んでいます。胡蝶、宇髄のような感じです。口調も「〜だね、〜かい?」ではなく「〜だな!〜だろう!」と言ったように喋ります。口出し失礼致しました…!! (2020年11月21日 9時) (レス) id: 2c19e184ee (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - メリアさん» コメントありがとうございます。煉獄さんの人の呼称が迷走してしまい申し訳ありませんm(_ _)m順次修正させていただきますのでお待ちくださいませ。楽しみにしていただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年8月24日 13時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
メリア - 口出しすみません!煉獄さんは(名前)少女/少年と呼ぶと思います。冨岡、と呼んでいます。本当にすみません!いつも楽しみにしてます! (2019年8月24日 12時) (レス) id: 25b2169fce (このIDを非表示/違反報告)
rina214skt2(プロフ) - 蜜柑さん» それが実は私にもわかりません!頑張ります!ありがとうございます^ ^ (2019年8月20日 20時) (レス) id: 74af5ac913 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - いやぁーどうなっちゃうんでしょうね?これからがすごく楽しみです!更新頑張ってください! (2019年8月20日 16時) (レス) id: aebba032ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あめ | 作成日時:2019年8月18日 9時

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